まさに羊の皮を被った狼!? 究極のUSDM仕様86
ここ数年、速さを引き上げるチューニングよりもスポーツテイストを生かしたドレスアップに傾倒している86/BRZカスタマイズ。車高調/ホイール/マフラーが三種の神器で、これに好みのエアロパーツを組んだ仕様が若者を中心に中古車マーケットで活性化の兆しを見せている。そこからさらに踏み込み、クリーンなクルマ作りとディテールの細かさを追求したカスタムスタイルが今回紹介する「USDM」仕様の86だ。 USDMとはアメリカ仕様の内外装パーツ、もしくはアメリカ製パーツを使って仕上げるのが基本。ひと昔前はスポコンと呼ばれ、映画「ワイルドスピード」の影響もあり、日本国内で人気に火が付いた。その流れを組むアメリカスタイルのカスタマイズだ。
アメリカのスポコンの流れを汲む「USDM」はカスタマイズシーンで人気のスタイルのひとつ。エクステリアは純正ライクに抑えながら、シェイブドベイ(エンジンルームを板金塗装して美しく整える手法)やワイヤータック(配線を可能な限り隠す)などエンジンルームなど見えない部分を徹底的に作り込み、ビルドアップするのが基本メイクだ。
この86のマシンメイクを手掛けたのはUSDMを軸としたコーディネイトを得意とする岡山県倉敷市の「Raikon」。ベース車両はモータースポーツ参戦を前提として選んだ86レーシング。幼少期からレーシングカートに打ち込み、スポーツ走行も楽しみたいと考えるオーナーのYさんのライフスタイルを考慮して仕上げている。
初出:XaCAR 86&BRZ magazine Vol.032
外観は定番のサイオンFR-S仕様
エクステリアは86のUSDMの定番といえるサイオンFR-S仕様。前後のランプ類、灯火類、エンブレムの交換で完成するからお手軽なモディファイとして人気が高い。足元もホイールがタイタン7、タイヤがニットーのNT01とUSブランドで統一し、ツライチにセット。 スポークの隙間から見えるブレーキもアメリカのロートラ製を選択するなど、細部までコーデに手抜きなしだ。インテリアも一度全バラにした上で、ボディと同じ3コートのサテンホワイトパールに全塗装。純正のロールケージにはサイドバーを2本追加し、実用に必要のない内装のパネルは可能な限り排除。レーシングカーの雰囲気を強調したシンプルかつスパルタンなフィニッシュとなっている。