チューニングも盛んで今なお人気の名機
多くの走り屋に愛されたこともあって、チューニングも盛んに行われた。エアクリーナー/エキゾーストマニホールド/マフラーの「三種の神器」に加え、内部に手を加えて排気量アップや10000rpmに迫る高回転仕様、純正パーツをN1レースの規定で組み直した超精密エンジンなど、ドライバーだけじゃなくチューナーにとってもB16Aは魅力的な素材だった。
話を歴史に戻して最後の1600ccシビックとなった、EK9型シビック・タイプRでは「B16B」として185psにまでパワーアップ。それより少し前に発売されたDC2型インテグラ・タイプRの、1800ccで200psの「B18C」をEG6にスワップするメニューも、公認車検を取得する必要はあるものの定番といえるだろう。走りのホンダというイメージを全世界へ植え付け、1989年の鮮烈なデビューから32年が過ぎた現在においても、まったく輝きが色褪せることなく、人気も衰えないB16A。
VTECを初めて採用したことやレースでの華々しい活躍、そして多くのドライバーを育てつつ記憶にも残る名機として、連綿と続く日本の自動車史に名前を刻むエンジンだと断言したい。