モンテカルロ・ラリーで総合優勝を果たす
話をミニ&ミニ・クーパーの活躍に戻しましょう。翌1963年にはラウノ・アルトーネンが総合3位、パディ・ホプカークが、総合6位入賞を果たしています。ちなみに、この時の総合優勝はサーブ96をドライブしたエリック・カールソンでした。そして1964年にはとうとう、ホプカークが総合優勝を果たすことになったのです。
クルマはミニ・クーパーから排気量を拡大したミニ・クーパーSに進化していましたが、クーパーの997㏄から1071㏄に引き上げられただけでしたから、まさに『山椒は小粒で……』を地で行く活躍でした。続く1965年にはティモ・マキネンが優勝してミニ・クーパーSとして2連覇を果たすことになりました。
さらに1967年にはラウノ・アルトーネンが勝っていますが、実は1966年も、ゴールした時点ではティモ・マキネンがトップの成績だったのです。しかしゴール後にヘッドライトに規則違反があると、まるで“難癖”をつけられたようになって失格。代わってシトロエンDS21のパウリ・トイボネンが優勝するという、不可思議な結果となりました。 それでも1966年の結果はともかく、排気量だけでなくボディそのものもコンパクトなミニ・クーパーSが、モンテカルロ・ラリーという檜舞台で、より大きなボディでより大排気量のエンジンを搭載したライバルたちを一蹴したと言っても過言ではないでしょう。そしてその結果、世界中にミニのファンを誕生させたことも間違いありません。