ワンポールテントの特徴その3:「雨や風への対策が場合により必要」
シンプルな円錐形ワンポールテントは、ドアを開けると床の一部に屋根がなくなってしまうので雨も日差しもテントの内側まで入ってしまう。かといって出入り口が小さいと、いちいち屈まないといけないので荷物を持って出入りするときが厄介だ。
この弱点を克服するのが、跳ね上げられるドアや小さな前室を作る補助フレーム。こうしたものがないワンポールテントは、入り口にタープをかけるなど自分で工夫する必要がある。
そしてテント泊で雨よりもやっかいなのが風。ドームテントは設営時に風が吹いているとあおられ、設営途中でポールが折れることもある。その点、ワンポールテントは幕体に重石をしながらペグで固定さえすればあとはポールを突き立てるのみ。張り綱(ロープ)で補強するまで油断できないが、比較的設営しやすいといえる。
ワンポールテントの特徴その4:「冬キャンプで薪ストーブが使える」
数は多くないが、上部に大型ベンチレーターを持つ大型ワンポールテントの中には、専用煙突ホールを設けることで薪ストーブが使えるものがある。もちろん薪ストーブOKのテントであっても火災や一酸化炭素中毒の危険があるので十分な経験と知識、対策が必要。簡単に真似できないものの、これはワンポールテントならでは。
薪ストーブを使えれば雪上でもぬくぬく過ごせるわけだが、深い雪、凍りついた土ではペグが効きづらい。ペグが役に立たない場合でもドームテントであれば悪天候でなければなんとか眠るスペースを作れるが、ワンポールテントは地面に固定できなければお手上げだ。この問題は石が多くて地面が硬い河原、砂浜での設営でも生じる。
対策として硬い地面にも対応するタフなペグを用意し、砂地のようにすぐに抜けてしまう地面では砂袋や石を併用するなどして対応する必要がある。軽さがワンポールテントのメリットだが、万一に備えれば、ドームテント並みの重さになるのは残念。
また、一般的に設営が簡単とされるワンポールテントでも、フロアレスでスタンディングテープがないものは注意が必要。形を整えてペグを打っても微妙にゆがみが出て一発で決まらないことが多く、微調整が必須なのだ。雪上キャンプを目指していても、地面が硬いと微調整を繰り返すのが嫌になりかねない。
いずれにしてもスムーズに設営するには事前のリサーチが不可欠だし、室内に雨が降り込むものもある。どんなタイプのテントを選ぶ際にも言えることだが、はじめてのテントにワンポールテントを選ぶならデメリットをしっかり認識しておこう。