セッティングに苦しみながらもレース後半でしっかりと追い上げる
アメリカでもっとも人気のあるカーレース「NASCAR(ナスカー)」の「カップ」、「Xfinity(エクスフィニティ)」、「Camping World Truck(トラック)」という3大カテゴリーのうちのひとつ、トラックシリーズに長年参戦。2018年シーズンはタイトルまで獲得しているのが、ナスカー界で唯一の日本人チームオーナーである服部茂章代表が率いるチーム「HATTORI RACING ENTERPRISES(HRE)」。今季も若手オースティン・ヒル選手を起用しトラックシリーズに参戦し、エクスフィニティにもスポット参戦を続けている。
前週のナッシュビル戦に続いての連戦となるトラックシリーズ第13戦が、ペンシルベニア州・ロングポンドにあるポコノレースウェイで開催された。HREは、この連戦にトラックシリーズだけでなくエクスフィニティシリーズにもスポット参戦し、忙しい週末が続く。
バンク角が特殊なオーバルコース「ポコノ」にて
ポコノは1周2.5マイル(約4km)のトライオーバルコース。「3ターン・3ストレート」という特殊な形状を持ち、バンク角が14度、8度、6度とそれぞれ異なる形状とその特殊性から「トリッキートライアングル」といった愛称で呼ばれている。
トラックシリーズ第13戦「CRC Brakleen 150」は、フリー走行&予選を行わない、決勝レースのみのレースフォーマットとなっている。スタートポジションについては、前戦のレース結果からの抽選により、HREの16号車は4番グリッドを獲得している。
3ステージ制の第1ステージ/15周、第2ステージ/30周の各チェッカーの後、最終ステージがあり、全60周(150マイル/240km)で争う決勝レースは、6月26日(土)正午にスタート。HREの「#16 TOYOTA TSUSHO TOYOTA TUNDRA」は2列目イン側からスタートするも、後続車のクラッシュにより直後にイエローコーションが出され、5周目に3番手から再スタートが切られる。しかしトップ車両の失速に行く手を阻まれてしまい、序盤は7番手から追いかける展開となった。その中段の混戦の中で順位を入れ替えながらの接戦を繰り返し、16号車は第1ステージは8位でチェッカー。レース距離が短い今回のレースは、第2ステージまで給油なしで走り切れることもあり多くのチームがこのステージブレイクでコースに留まっていたが、ヒル選手は車両バランス改善のためにピットイン。
給油と4本のタイヤ交換とセッティング変更を施し16号車は24番手でコースに戻り、第2ステージはスタートした。20周目にリスタートし、わずか10周の第2ステージだったが、ヒル選手はスタートダッシュを決めて10台を一気に抜いて14番手にジャンプアップ。中段の混戦から追いかける。第2ステージチェッカー3周前に最終ステージのスタートポジションを有利にするために前車が次々とピットインする中、オースティンはポイント獲得を目指しコースに留まる戦略を取り、5番手にアップ。さらに4番手まで上げてステージチェッカーを受ける。
このステージブレイクで給油、4本のタイヤ交換、さらにグリルにテープを追加してコースに復帰。ヒル選手は12番手から最終ステージのスタートを迎える。