夜な夜なワインディングを駆け抜けるための必須アイテムだった
シールドビーム、ハロゲン、エリプソイド(プロジェクター)、マルチリフレクター、キセノン(ディスチャージ、HID)、LED、レーザービームetc. 改めて振り返ると、クルマのライトはここ30〜40年の間に大きく様変わりした。最新のメルセデス・ベンツSクラスでは、片側約130万画素というプロジェクションモジュールを採用、照らしたいところだけ高精度に照らす仕組みを採用。もはや単に暗い場所を明るく見せるだけのモノではなくなった。
最新のトレンドは(例によって)やや疎い筆者であるが、どうやらバルブのLED化はポピュラーになっているようだ。以前のHIDキットのようなシステム一式が必要ないから値が張らず、交換もタマを替えればいいから手間もかからなさそう。
昔はH4バルブ付きのハロゲンランプに交換していた
……とひとごとのように書いていて、筆者も自分のクルマを“LED球”に交換していたことを思い出した。ただしそれは省電力を目的に室内灯を“電球”から交換しようと考えたもので、人に紹介してもらいネットで購入。クラシカルな趣もあるクルマだから、自宅の部屋のLED照明同様に“白”ではなく“電球色”を選んだ次第。
思えば最近のクルマのヘッドランプは、専用デザインがほとんど。よって、交換するとしても前述のように光源を別のものにする程度だ。が、以前のクルマのヘッドランプは、丸2灯、丸4灯、角4灯と規格が決まっていたから、ヘッドランプの交換といえば、レンズごとの交換となり、市販のH4バルブ付きのハロゲンランプに替えたもの。
交換すると目に見えて分かる変化だった
当時のピアッツァ・ネロ(インパルスと共通になる前の角4灯だった)のカタログ写真で見る限りライトの色は白くはないから、標準ではハロゲンが付いていなかったハズだが……。
いずれにしても、当時(70年代)はヘッドランプを替えると、文字通り世界が違ってみえたもの。それまでのシールドビームは薄暗いし、光の色も黄色いし、配光も斑(まだら)だしと、かなり心許なかった。それがハロゲンに変えると、明るいし、光の色は白いし、配光もムラがなく、レンズパターンでキチンと光束(の上方)がカットされているのも感動的だった。
ヘッドランプ→フォグランプという順番で交換していた
マーシャル、シビエ、ヘラ、ボッシュ、キャレロなどが、その時代の代表的なブランドだったと思う。そしてヘッドランプが落ち着くと、今度は補助灯に。筆者はマーシャルの時には同じマーシャルの角型でバルブが黄色いフォグランプを選んだが、走らせることが好きな友人の中にはロードランプ、スポットランプを選ぶヤツもいた。