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なぜイギリスにスティーブ・マックイーンの「ポルシェ917K」が!? 見どころたっぷりの「英国自動車博物館」

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TEXT: 原田 了(HARADA Ryo)  PHOTO: 原田了

英国自動車博物館

 最後に紹介するのはヒースロー空港から北西に80マイル(約130㎞)程離れたゲイドンにある英国自動車博物館。英国自動車博物館 イギリスの自動車メーカーは合従連衡を繰り返して衰退していきましたが、こちらは紆余曲折の末にしっかりとした運営基盤が確立されています。少しだけその歴史を振り返ると、1970年代にブリティッシュ・レイランド(BLMC)の歴史的車両を保存管理するために、BLMC社内の1部門として設立されています。その後BLMCがローバー・グループに移行し、BMWに買収された後にフォードに売却されるなど、まさに変遷が続いていましたが、現在では英国自動車産業遺産信託となってBLMC以外のメーカーの車両も保存管理することになり「ヘリテージ・モーター・センター」として新たな一歩を踏み出しています。1896年ウーズレイ・オートカー  さらに2015年には展示館が大幅にリニューアルされ、翌2016年からは英国自動車博物館と改名して現在に至っています。この経緯からも明らかなように、この博物館はまさにイギリスにおける自動車産業の歴史そのもの。収蔵展示車両も19世紀末期のウーズレイやディムラーから今世紀のモデルまで実に多くのモデルが収められており、展示されているのはその一部に過ぎません。1908年オースチン100HPグランプリ・レーシングカー 特に、ジャガーが閉鎖したジャガー・ディムラー・ヘリテージセンターから収蔵車両をすべて引き受けたために、ロードモデルからレーシングカーまで、歴代のジャガーが展示されているコーナーは圧巻でした。1950ジャガーXK 120オープン2 シーター(Roadster) 個人的にはジャッキー・スチュワートがドライブしたマーチ701・コスワースが目的の1台でした。マーチ701・コスワース が、実際に訪れてみたら、ローバーBRM(ガスタービン)のル・マン・カーに出会えて、感激したことが今も忘れられません。ローバー・BRM

 この英国自動車博物館も、先に紹介したふたつの博物館とともに、イギリスを訪れるなら絶対に見ておきたい博物館。お奨めです!!

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  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • ライター。現在の愛車は、SUBARU R1、Honda GB250 クラブマン、Honda Lead 125。クルマに関わる、ありとあらゆることの探訪が趣味。1955年、岡山県倉敷市生まれ。モータースポーツ専門誌の地方通信員として高校時代にレース取材を開始。大学卒業後、就職して同誌の編集部に配属。10年間のサラリーマン生活を経て90年4月からフリーランスに。モータースポーツ関連の執筆に加え、オートキャンプからヒストリックカーイベントまで幅広く取材。現在ではAMWに、主にヒストリー関連コラムを執筆。またライフワークとなった世界中の自動車博物館歴訪を続け、様々な媒体に紹介記事を寄稿している。
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