6位:ACDを搭載した初めてのモデル【ランサー・エボリューション7】
個人的にエボの最終形態はこの7で決まったと思っている。なにせ速い。4ドアセダンとして十分な室内空間を確保、トランクにも荷物をしっかり積むことができた。4WDのACDとAYCの電子デバイスはより洗練され、安心してアクセルを踏んでも、優れた電子デバイスによって、恐ろしいほどの安定性で速さを追求することができた。
空力や冷却性能も向上し(改良型インタークーラースプレイなど)、エンジンもマグネシウム製ロッカーカバーや中空化カムシャフトなど、4G63型にもまだまだ改良の余地があったことを示した。まさにランエボここに極まれりである!
大排気量のスポーツカーにもまったく引けを取らないミドル4ドアセダンである。エボ7を1位にしても良かったと思うほど。ただしエボ7は、ランタボ時代のじゃじゃ馬感がスポイルされてしまい、その優等生ぶりが少し物足りなさがあるのも事実。筆者も購入を検討したが、家族の反対で叶わなかったモデルなので思い入れも強い。
【主要諸元】
■ランサー・エボリューション7
■メーカー希望小売価格/[GSR]299万8000円(発売時)[RS]251.8万円(発売時)
●全長×全幅×全高:4455×1770×1450mm
●ホイールベース:2625mm
●車両重量 GSR/RS:1400kg/1320kg
●エンジン形式:直列4気筒DOHCターボ
●エンジン型式:4G63型
●総排気量:1997cc
●最高出力:280ps/6500rpm
●最大トルク:39.0kg-m/3500rpm
●駆動方式:4WD
●サスペンション形式 前/後:マクファーソンストラット/マルチリンク
●タイヤサイズ GSR・RS:235/45R17・205/60R15
5位:ランエボシリーズ最速タイムを「エボ8MR RS」が樹立【ランサー・エボリューション8 MR】
洗練度や完成度でいうと、エボ8と遜色ないのかもしれないが、MR(三菱レーシング)の名を冠したモデルを忘れるわけにはいかない。量産車初のアルミルーフによる軽量化と低重心化、オプションのボルテックスジェネレーターの採用によって空力性能の向上を向上。MRの名に相応しいレーシングテクノロジーが採用されていた。
大容量タービンによりエンジントルクが0.8kg-m増強された。ビルシュタイン製ダンパーや電子制御4WDシステムACD+スーパーAYC+スポーツABSの組み合わせは、ドライバーのスキルを問わない速さを提供してくれた。ちなみに自動車雑誌「CARトップ」の筑波テストにおいて、エボ8MR RSがランエボ最速タイムとなる1分4秒40を記録している。
【主要諸元】
■ランサー・エボリューション8 MR
■メーカー希望小売価格/[GSR]339万8000円(発売時)[RS]274万円~327万5000円(発売時)
●全長×全幅×全高:4455×1770×1450mm
●ホイールベース:2625mm
●車両重量 GSR/RS 6MT/RS 5MT:1400kg/1360kg/1310kg
●エンジン形式:直列4気筒DOHCターボ
●エンジン型式:4G63型
●総排気量:1997cc
●最高出力:280ps/6500rpm
●最大トルク GSR・RS 5MT:40.8kg-m/3500rpm・40.0㎏-m/3500rpm
●駆動方式:4WD
●サスペンション形式 前/後:マクファーソンストラット/マルチリンク
●タイヤサイズ GSR・RS 5MT:235/45R17・ 205/65R15
4位:第1世代の完成形で筆者が3年間所有した思い入れもアリ!【ランサーGSRエボリューション3】
第1世代の最終形態であるエボ3を選出。実用性を犠牲にしないコンパクトな4ドアセダンのランサーを、1/2/3と熟成したエボ3は、年次改良によって来年はどんな進化を遂げるのか? というわくわく感があった。
ライバルのインプレッサWRXとの開発競争は、多くのクルマ好きの注目を集めることとなり、同時代のクルマ好きの間で、格好の議論のネタとなった。90年代の羊の皮を被った狼だと記したい。もちろん、当時としてはアグレッシブ過ぎるスタイリングであったが、室内空間やユーティリティ性はノーマルのランサーと変わらず。そしてタイヤは15インチのまま。
例えば、速いセダンが欲しいという方から競技車両のベースが欲しい方まで、他とは違う高性能なクルマが欲しいという方にもマッチしたモデルとして、第1世代の完成形といえるパフォーマンスと実用性を兼ね備えていた。速さだけ追及すれば第2世代以降の電子デバイスは不可欠だが、電子デバイスは使いこなすのが難しいとか、昔ながらの操作フィールが欲しい方には中古車市場のなかで希少なタマを見つけることができれば第1世代モデルがオススメ。
また、駐車スペースの関係上、5ナンバーサイズであることが必須な方もいるだろう。その他、いろいろな要素があると思うが、高性能を凝縮した1台のクルマをマルチに対応しようとするなら、エボ3はオールラウンダーだ。
5ナンバーサイズの狼の決定版といえるだろうから(エボ4もあるが)、郷愁も込めてエボ3を4位とした。ちなみに筆者が年間3万km走っての下取り額は200万円の値付けで、当時としてはリセールバリューも非常に高かった。
【主要諸元】
■ランサー・エボリューション3
■メーカー希望小売価格/[GSR]296万8000円(発売時)[RS]237.8万円(発売時)
●全長×全幅×全高:4310×1695×1420mm
●ホイールベース:2510mm
●車両重量 GSR/RS:1260kg/1190kg
●エンジン形式:直列4気筒DOHCターボ
●エンジン型式:4G63型
●総排気量:1997cc
●最高出力:270ps/6250rpm
●最大トルク:31.5kg-m/3000rpm
●駆動方式:4WD
●サスペンション形式 前/後:マクファーソンストラット/マルチリンク
●タイヤサイズ:205/60R15