日本のみならず海外でも人気の車種
2007年に発売されて以来(日本では2009年から導入)、14年もの時が経過した現在でもなお高い人気を誇るルノー・カングー。先日、最後の限定車となる「リミテッド ディーゼルMT」が発表され、400台の限定台数は瞬く間に完売。人気が衰えていないことを証明する形となった。
そんなカングーは1997年に初代モデルが登場。日本では2002年から正規輸入がスタートし、その愛らしいルックスや実用性の高さ、そしてフランス車らしい乗り味が支持されている。
フランスでは郵便局など働くクルマとして活躍
もともと商用モデルとして誕生したカングーではあったが、その使い勝手の良さが評価されて現在の地位を獲得。日本ではルノー車全販売台数の1/3がカングーと言われるほどなのだ。ではなぜカングーは日本でも高い支持を集めているのだろうか?
日本でも同様のコンセプトで生まれた日産NV200バネットワゴンが存在している。だが街なかで見かける機会はほとんどなく、ビジネスユースのバンモデルがほとんどだ。
これはひとえにフランス車であるカングーが持ち合わせる、独特の雰囲気が人気を獲得しているのは間違いないだろう。毎年発表される限定モデルなどは素地のバンパーを装着し、華やかさとは無縁のように思える。しかし、ポップなボディカラーと相まって、ただの商用車とは一線を画すルックスとなっている。
また、内装も日本車のようにきめ細やかな配慮の小物入れや多数のカップホルダーなどは備わらないものの、商用バン生まれということもあって実用性は高い。“便利そう”に見える日本車とは異なり、“実際に便利”な点も評価が高いポイントである。
イベントも大盛況! 新型もまもなく登場!
ほかにもルノージャポンが主催するファンイベントの「カングージャンボリー」が毎年5月に開催される(昨年はコロナ禍によりオンラインイベント化、2021年は秋以降の開催が予定されている)など、オーナー同士が交流できる場が設けられていることも、所有欲を満たしてくれる点だろう。
現実的な話としては、車両の価値が目減りしにくいという点も見逃せないところ。正直な話、フランスメーカーの実用車はある程度年式が古くなるとほとんど価格が付かないのが実情だ。しかし、カングーはその高い人気によって、低年式、過走行の個体でもある程度の価格で取引されているのだ。
そのため、カングーからカングーに乗り換えるユーザーも珍しくない。今回のディーゼルエンジンを搭載した限定車も、カングーからの乗り換えユーザーが少なくないというのである。
このように日本のみならず全世界で根強い人気を誇るカングー。すでに3代目も発表されており、日本へも導入されることが確実視されている。エクステリアが現行ルノーに共通するフェイスになったことでネガティブな声も聞かれる。だが、2代目が登場したときも大型化したボディに批判の声があったことを考えると、そこまで悲観的にならなくてもよさそうだ。