トラブルが起きても”いつか”笑い話となる
ここ数年で旧車ブームが到来し、各方面で注目を浴びている。そのブームの前から、乗っているオーナーからよく耳にしたのは、私自身もそうだが、周りの人から「維持費や購入金額を聞かれることがある」ということだった。
そこで今回は、旧車オーナーになろうとする人たちへのなんらかの参考になればと思い、著者が所有する1974年式のアルファロメオを例に旧車維持の醍醐味と大変さを紹介していこう。
最初に購入しようと思ったアルファロメオ・ジュニアZ
筆者(高桑)が1998年に購入し、いまでも愛用している旧車の名は1974年式アルファロメオ GT1600ジュニア。そのボディカラーから、自身では「水色号」と呼んでいる。まずは、買った経緯からお伝えしたい。
数あるアルファロメオの中でも、筆者が一番最初に好きになったのはジュニアZというモデルだ。ジュニアZは、1969年から1975年まで生産されたスタイリッシュなロードカー。1970~72年に1300cc版が1108台、1972~75年に1600cc版が402台デリバリーされた。わずか1510台しか生産されていないので、かなり稀少なアルファロメオだといえる。 直線基調のウェッジシェイプはカロッツェリア・ザガートが描いたもの。車名の最後に付けられた「Z」は「Zagato」の頭文字だ。
大ヒット作となったアルファロメオ・ジュリア(105/115系)の派生モデルとして1969年のトリノ・ショーでデビューしたジュニアZは、それまでのアルミボディが与えられたSZやTZといったザガート系アルファロメオとは異なり、レースに参戦しないロードカーとして設計され、車体はスチール製だった。
ちなみに、ザガートがデザインした個性的なアルファロメオは、その後、1989年デビューのアルファロメオSZ(ES30型)が登場するまでリリースされなかった。
好きすぎてジュニアZを紙粘土で自作
いま思うと完全に若気の至りなのだが、高校2年生のときに紙粘土でジュニアZのプロポーションを模したモノを自作したことがある。近所のホームセンターで針金をたくさん買ってきて、ジュニアZの形っぽくフレームを組み、そこにペタペタと紙粘土をくっつけていったのだ。それほどまでにジュニアZのことが好きだった。 高校2年生のときは、すでに友人たちと原付バイクでツーリングに行ったりしながら自宅でバイクいじりを楽しんでいたので、さまざまな工具が揃っており、針金を曲げたり切ったりすることが容易だったのである。
物持ちがいいので、高校2年生のときに紙粘土で作ったそのジュニアZを現在もガレージ内で保管し、大切にしている。自分では、なかなか上手く作れたと思っているが、いかがだろうか。