ライディング上達の「近道」としてのオフロードバイク
しかし、移動手段として公道を走っていた時とは違い、サーキットでのライディング練習にはかなりのお金と時間を要することになる。そこで私が思いついた最善の方法が「仕事にすること」と「オフロードバイクを手に入れること」だったのだ。 なぜオフロードバイクかというと、車体のほとんどがカウルに包まれているロードバイクは、転倒すると修理費がかさむことに加え、サーキットでの走行料なども高額である。オフロードバイクは、走破性を重視して作られているため丈夫なことに加え、ボディのほとんどがむき出しのため壊れる箇所も少なく、コースでの走行費用も比較的安いことが多いのだ。 私は、ロードバイクでのラインディングを比較的リーズナブルに上達させられるよう、オフロードでの練習を開始した。つまり、ロードバイクのためのオフロードだったのである。
オフロードでの走りも上手くなりたい!
そんなオマケのような気持ちで始めたオフロードだったが、ロードの操作感とはまったく別の乗り味で、想像以上におもしろい。さらに、オフロードバイクはライディングの練習用というだけでなく、ロードバイクでは怖いと感じるような砂利道などの未舗装路も、不安感なく進むことができるなど、新たなバイクの楽しみ方を教えてくれたのだ。 そして気付いた時には「ロードのためのオフロード」ではなく「オフロードでの走りも上手くなりたい」と、バイクが好きという気持ちの一部になっていた。結局私は前述したとおり、バイクの車種ではなく操作感が好きなのだ。エンジンと2本のタイヤで走る、この乗り物を生身の私が操っているのだという爽快感は、バイク特有のものだろう。車種や排気量は別になんでもいい。どんな状況でも、どんな種類のバイクでも、操れたときの達成感が私にとっては最高なのである。