100円ショップのハイクオリティ釣り具をバサーライターが試したみた!
今、釣り業界に激震が走っている。アウトドアブームと並行して、外遊びの代名詞でもある「釣り」が注目されているが、このムーブメントに対して素早くリアクションしたのが「100円ショップ」。それまでは釣り具の大手チェーン店がトップランナーとして消費者と対峙していたが、最近ではダイソー、セリアなどが台頭し、リーズナブルな価格で釣り道具を提供するようになったのである。
釣り系ユーチューバーも注目するほどの機能性を搭載
初心者だけでなく、中・上級者にも衝撃を与えるラインアップを揃えているのがダイソーだ。数年前までは、お世辞にも「釣り道具」として評価されるものが少なく、棚を埋めるだけの「安かろう悪かろう」的なアイテムばかりだったが、一昨年あたりからバイヤーが「釣り好き」に代わったのか、釣り人の心をつかむ商品が並び始めたのである。
大型店舗では釣りデビューするための道具をすべて揃えることが可能
今回、調査を兼ねてショップを偵察して見ると、釣り具コーナーの充実ぶりに驚かされた。陳列棚には竿、リールの他、魚種によって整理された仕掛けやルアー(擬似餌)、針、ウキなどが並べられ、とくに驚かされたのがルアーのバリエーションだ。
ツウも唸る商品ラインアップとコスパの良さは驚愕モノ
今回、編集部が用意したのはロッド(竿)とリール、そして数種類のルアーとフィッシュグリップ。このセットを用意すればすぐにルアーフィッシングを楽しむことができる。内訳は竿/700円、リール/700円、ルアー/100円×5個、フィッシュグリップ/500円の合計2400円(税別)。
リールにはラインがすでに巻き付けられ面倒な作業は初心者にはうれしい
今回のロケでは、収納性に優れた振り出し竿の240cm(7.87ft)に3000番のリールを合わせてみた。実際に近所の河口部でキャスティングを行ってみたのだが、万能竿と言うこともあり手返しの多いルアーフィッシングには少しばかり厳しい印象があった。
竿自体の重量が重く軽快に振り抜くことはできなかったが、逆にこれといった不便さを感じることもない。リールに関しては4号のナイロンライン(釣り糸)が100mほど巻かれた状態で販売されているので、ラインを別に購入してリールに巻き付ける面倒な作業も不要。使ってみた印象は価格に見合ったもので、ハンドルを回転させると「ジジジジ」とラチェット音が響く昭和を思わせるレトロなもの。
バス釣り上級者も納得の機能性がしっかり確認できた
そして一番驚かされたのがルアーである。樹脂性と金属製のバイブレーションプラグを使ってみたのだが、手元にブルブルという振動が伝わって来るのが分かり、ルアーフィッシングの即戦力となることは間違いない。
残念ながら「ボウズ」……使えることはわかったのでリベンジを果たしたい!
今回のテストで感じたことは、ロッドとリールにはまだまだ改善の余地はあるものの、出張先や旅先で釣りをしたくなった時は、100円ショップに飛び込めば十分に釣りが楽しめるということだ。もちろん、アウトドアの延長としてちょっとした海釣りやルアーフィッシングを楽しみたいという人にもオススメである。
ひと昔前までは釣り具メーカーのダイワとシマノが「D」vs「S」の対立構造を成していたのだが、最近ではダイソーとセリアの「D」vs「S」の釣り具バトルへと移行している。100円ショップという身近な存在が「釣り」に対して大きな熱量で向き合い始めた今、趣味として釣りを始めようと考えている人には大歓迎である。100円ショップの両巨頭のバトルは切磋琢磨しながら、さらに良き商品の提供へとつながることだろう。今後も100円ショップの「釣り道具」から目が離せない。