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HREタンドラ、ついに今季初優勝【2021NASCARトラックシリーズ第14戦】

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TEXT: 青山義明(AOYAMA Yoshiaki)  PHOTO: Hattori Racing Enterprises

ついに運命の最終ステージ! イエローコーションが味方に 

 最終ステージは踏み締められたイン側と、まだ固まっていないアウト側の路面のコンディションの違いが出てきており、特にバンク角のないこのコースでは追い抜きが難しい。各所で接触が発生しクラッシュに繋がっていく。ヒル選手は中段グループの混戦にも巻き込まれ一時は20位まで順位を下げてしまう。

 レースは終盤になってクラッシュが多発。これをギリギリのところで切り抜け、138周目に9回目のイエローコーションが出されたところで9番手へ。さらにこのリスタートで4番手までポジションを上げたヒル選手はさらにスピードを上げ、146周目には再び2番手のポジションを取り戻しトップを射程距離に捉えていく。

 ここで11回目のイエローコーションが出され、勝負はオーバータイムへと突入する。第2ステージ同様、不利なアウト側2番手からスタートとなってしまったが、後続車のクラッシュによりスタートのやり直しが2度も続く。そして3回目のリスタートではトップのマシンと接触しながらも何とかイン側の路面を確保、立ち上がりの加速で待望のトップに躍り出る。しかし、またしても後続車のスピンによりイエローフラッグとなってしまう。

 ここでトップに立っていたヒル選手は4度目の再スタートでイン側を確保。この絶好のポジションから好スタートを決め、後続を引き離し待望の今季初優勝を飾った。イエローコーション14回、オーバータイム4回の荒れたレースを土壇場の逆転劇で制したヒル選手。プレイオフ進出は決めているものの、これでその戦いをより有利な状況に導くことにも成功。HREは引き続き、ニューヨーク郊外にある高低差の大きなロードコース、ワトキンス・グレンでのトラックシリーズ第15戦に参戦する。

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