商用バンから幼稚園バス、レジャービークルまで多様性を誇るハイエース
1BOXカーのトヨタ・ハイエースはビジネスユースをはじめ、今でいう多人数が乗れる「ミニバン」、バイクなどが積める「トランスポーター」やキャンピングカーのベースといった「レジャーユース」まで、いろいろな使い方が出来るクルマだ。1967年の登場以来、日本の1BOXカーのトップブランドとなっており、ここでは5世代で54年という長い歴史を持つ歴代ハイエースを振り返っていく。
トラックからの派生モデルではなく1BOXバンとして開発
【初代モデル/10系/1967年発売】
初代ハイエースはトラックのトヨエースの弟分となるキャブオーバーの1BOXカー&トラックとして登場。とくに1BOX系はトラックベースではなく、積載量拡大などのため最初から1BOXカーとして開発された点が当時としては画期的だった。
車型は基本となるデリバリーバンと呼ばれた商用バン、12人乗りと15人乗りのコミューター、仮眠などにも便利なフルフラットシートを装備した9人乗りワゴン、ダブルキャブなども持つトラックの4タイプをラインアップ。多人数乗車が可能な15人乗りコミューターは、現在でいうスーパーロングボディ(ロングホイールベース仕様)を採用した。
また、後にスーパーロングボディは救急車のベースとしても使われ、商用バンのスーパーロングボディも加わっている。
多様なニーズに応えるべく3車型にそれぞれ豊富なボディタイプを設定
【2代目モデル/20系・30系・40系/1977年発売】
2代目モデルは機能性、居住性、安全性の向上を主なテーマに開発され、商用バン、コミューター、トラックという3車型で登場し、その2カ月後にワゴンが加わった。
それぞれの車型のボディバリエーションは、商用バンでは標準ボディ/ロングボディ/スーパーロングボディ、コミューターは標準ボディ(12人乗り)/ロングボディ(15人乗り)/スーパーロングボディ(15人乗り)、ワゴンは9人乗り/10人乗り、トラックは平ボディ/ダブルキャブ/パネルバン/オープンバン(パネルバンの屋根が開閉可能な幌仕様)と豊富で、2代目モデルから現行モデルにも通じるハイエースの特徴であり魅力とも言える豊富なバリエーションが確立され始めた。