レガシィが先鞭をつけて続々と高性能スポーツワゴンが登場!
現在は残念ながら人気が下火となってしまっているステーションワゴン。とくに国産車において、メーカーによってはラインアップすらしていないという状況となっている。
しかし、1990年代にはレガシィツーリングワゴンが大人気となり、多くのメーカーが「速いステーションワゴン」を軒並みリリースしていた時代であった。そこで今回は90年代に登場したスポーツカー顔負けの俊足ステーションワゴンを振り返ってみたい。
チェリーレッドのエンブレムがSTiバージョンの証
【スバル・インプレッサスポーツワゴンWRX STiバージョン】
スバルの俊足ステーションワゴンと言えば、このブームの立役者でもあるレガシィツーリングワゴンが代表的であるが、忘れてはいけないのがインプレッサスポーツワゴンだろう。
1992年のデビュー時はターボモデルが存在しなかった同車だが、93年9月にはEJ20型ターボエンジンを搭載したWRXをセダンに続いてスポーツワゴンにも設定。翌94年1月にはSTi(現STI)が手掛けたコンプリートモデルの「WRX STiバージョン」がセダンと共に設定されたのだ。 その後、STiバージョンは代を重ね、最終的に1999年9月に発表されたバージョン6まで進化。セダンやクーペに注目が集まりがちではあるが、その実力は折り紙付きだったのである。
S14シルビアK’sを上回る230ps仕様のSR20DETを搭載
【日産アベニールGT4シリーズ】
スカイラインワゴンとも呼ばれたステージアの影に隠れて目立たない存在となってしまってはいるが、もうひとつの日産俊足ステーションワゴンとして紹介したいのがアベニールだ。
初代モデルもマイナーチェンジのタイミングでターボモデルが追加されていたが、今回紹介するのは1998年8月に登場した2代目モデル。初代はトーションビーム式だったリヤサスペンションを日産伝統のマルチリンク式に改めるなど、目立たないながら本気の改良が見て取れる。 GT4系に搭載されるエンジンは名機として名高いSR20DET型で、同時期に販売されていたS14型シルビアの220psを上回る230psを発生していた。そしてグレード名からも分かるようにアテーサ4WDが組み合わされており、打倒レガシィという気持ちが伝わってくるモデルだったのである。