クラッシュを潜り抜け上位争いを展開
アメリカで人気のカーレース「NASCAR(ナスカー)」の「CUP(カップ)」、「Xfinity(エクスフィニティ)」、「Camping World Truck(トラック)」という3大カテゴリーのうちのひとつ、トラックシリーズに長年参戦している「HATTORI RACING ENTERPRISES(HRE)」。2019年から「GR SUPRA」を使い、このエクスフィニティシリーズへスポット参戦を開始。ナッシュビルスピードウェイでのシリーズ第15戦に引き続いて、ポコノレースウェイでの第16戦も連戦で参戦する。
ナスカー界で唯一の日本人オーナーである服部茂章代表が率いるこのHREは2020年からドライバーにオースティン・ヒル選手を起用しており、このエクスフィニティへも同じくヒル選手を起用し、トラックシリーズとのダブルエントリーでこれに挑んでいる。
ポコノレースウェイで開催されたエクスフィニティ第16戦
エクスフィニティ第16戦「Pocono Green 225 Recycled by J.P.Mascaro & Sons」は、ペンシルベニア州・ロングポンドにあるポコノレースウェイで開催となった。この1周2.5マイル(約4km)コースで、オーバルコースではあるが、楕円というカタチではなくおむすび型で、3ターン・3ストレートを持つトライオーバルと言われる形状。それぞれのターンはバンク角が14度、8度、6度と異なる形状を持つ。
このコースを90周(362.1km)で争うレースだが、今回は練習走行も予選セッションもない、決勝レースだけを行うレースフォーマットとなっており、決勝グリッドは前戦のレース結果からの抽選により、HREの「#61 TOYOTA TSUSHO TOYOTA GR SUPRA」は15番手からスタートすることとなった。
20周の第1ステージ、20周の第2ステージ、そして50周の第3ステージからなるレースは6月27日正午にスタート。ヒル選手はスタートすると、すぐ12番手に上がるも中段の混戦で順位を入れ替えながらの展開の中、10周目に後続のクラッシュによりイエローコーションが出されると、チームはピットインを指示。 HREはこのレースにGR SUPRAの新車を投入しており、練習走行と予選がないため、事前にシャーシダイナモ上でテスト走行を行った。ぶっつけ本番の決勝レースでは、車両バランスの改善が必要となっていたことから、ここで給油と4本のタイヤ交換とともにセッティング変更を施してコース戻す。33番手から第1ステージ残り3周でのリスタートを迎えた。ここでヒル選手は25番手まで順位を上げてステージチェッカーを受ける。このステージブレイクでもチームはピットへ61号車を戻し、さらなるハンドリング向上のためのセットアップを進めていく。
61号車は25番手でコースに復帰させ第2ステージへ。第2ステージがスタートすると前方でクラッシュが発生。これは数台の車両を巻き込む大クラッシュとなってしまうが、ヒル選手は間一髪で接触を免れて12番手に順位を上げる。レースはこのクラッシュで赤旗で一時中断となり28周目に再開するも34周目には再びクラッシュによりイエローが出され、ヒル選手は再びピットインし、さらに新たなセッティング変更を施し第2ステージは16番手でチェッカーを受ける。
ハンドリングに苦しむヒル選手は、このステージブレイクでもピットイン。さらに新たなセッティング変更をこなして17番手のポジションから最終ステージを迎えた。