ほぼレース仕様なRC213V-Sにも試乗!
そしてこの日、青木さんは2013・14年のMotoGPでホンダに2連覇をもたらしたRC213Vを公道走行可能とし、2015年に2190万円で発売したRC213V-Sに試乗。クラッチを電磁式として手の操作での変速を可能にするなどの補助システムを装着している。
事故による脊髄損傷で自由には動かせなくなった脚を固定するため、ライディングブーツとバイクのステップをビンディングで接続。さらにベルトで太股の浮き上がりを防いだ状態で乗り込みコースインした。ストレートではみるみるうちに速度を上げ、バンクへもわずかな減速だけで進入し、306km/hもの最高速をマーク! GP500ライダーとして世界で活躍した青木さんのライディングテクニックが今なお健在であることを、その場にいた全員に改めて実感させる一幕だった。
そんなRC213V-Sから降りた直後の青木さんは、「300km/h付近の安定性が抜群にいい。それにコーナーが速い!」と興奮気味。そして「NSXとRC213V-Sは同じような値段だけど、NSXはやっぱり市販車として作られたクルマだね。でもRC213V-Sは生粋のレーサー。その違いは大きいよね」と、両車の違いをわかりやすく話してくれた。
そして最後に、「ひとりで運転するならやっぱりRC213V-Sのほうが楽しいけど、NSXはふたり乗れるのに300km/h近くでも安心して走れるのが、本当に凄いよね」とコメント。通常のサーキットとは異なる極限領域でも、最高峰のクルマとバイクを意のままに操る青木さんの挑戦は、これからも続いていく。