大切な親の介護で出費がかさむなかで選ぶべき中古ミニバンとは
親の介護や、高齢の親の健康増進、病院通いに使うにはどんなクルマが適切だろうか。福祉車両を別にすれば、ミニバンがひとつの答えになる。とくに2世代家族にとっては3列シート、6~8人乗りのミニバンが適切だ。ここでは、親の介護や高齢の親を取り巻く出費を考慮して、高齢者を安心して乗せられるミニバンの条件、そしてコミコミ100万円で購入できる中古車を紹介したい。
考慮すべきは足腰の弱い高齢者に優しい乗降性の良さ
まず、足腰が弱くなってきた高齢者にとってクルマの乗り降りは大変な作業だ。では、どんな条件を満たせば後席にアクセスしやすくなるかと言えば、やはりスライドドアミニバンに限られる。理由はスライドドア部分のステップが低いうえに段差がなく、背を大きくかがめずも、適切な位置にグリップなどがあり、さらに意外に気づかない点として、後席フロアからシート前端までの高さ(=ヒール段差)があるシートレイアウトを持つクルマがいい。 詳しく説明すれば、背高ミニバンであれば全高に余裕があり、当然スライドドア部分の高さ(間口)も十分にあり、大きく背をかがめずに乗り込むことができるのだが、ステップ位置が高いと足の持ち上げ量が大きくなり、乗り降りしにくくなってしまう。 かつてのFRミニバンにその傾向があり地上45~50cmなんていうのもあった。ちなみに、高齢者の乗降にも配慮したノンステップバスの車高を下げた時のステップ高は約30cmである。
低床でありながら十分なシート高が確保されていることがポイント
では、フロアに対してシートが高めにセットされていることが、なぜ足腰が弱った高齢者に最適かと言えば「着座性」、「立ち上がり性」に優れるから。健常な人でもローソファに座るには腰の移動量が大きく、また立ち上がる際はどこかに手をつかなければ立ち上がれないはずだ。
しかし、ダイニングチェアのように座面が高い椅子なら「座る」、「立ち上がる」のどちらの方向でも容易なはずである。つまりフロアに対するシート位置は、腰の移動量の少ない高めのポジションがポイントとなるのだ。ここからはオススメモデルを紹介していきたい!
オススメミニバンその1/スライドドア開口部の高さとヒール段差に優れる
【トヨタ・ノア&ヴォクシー(R70型)】
そんな条件に合致する、予算コミコミ100万円のミニバンと言えば、先代型となる2007〜2014年に発売されていたR70型のノア&ヴォクシーだ。スライドドア部分の開口部は高さ1315mm、幅730mmで、当時のMクラスボックス型ミニバンでは、開口部とくに高さ方向にもっとも余裕があったのである(セレナ1300mm、ステップワゴン1175mm)。 段差のないステップ高は地上360mmと現行型のノア&ヴォクシーと変わらず、もちろんBピラーにアシストグリップが完備する。
2列目席のヒール段差も高めの約350mmという具合だから、条件としては文句なし。探せば後期型かつ10年落ち未満の2012年モデルが手に入る。中古車の台数もノア&ヴォクシーのどちらかに限定しなければタマ数は多く、探しやすいだろう。ちなみにセレナより走行距離が少ないタマが多いのも特徴だ。