いつかはクラウン 今ならどのクラウン
「いつかはクラウン」という言葉をご存じだろうか。1980年代後半、トヨタの4ドアセダン「クラウン」の7代目S12型、続く8代目S13型のCMで全国に流れたキャッチフレーズやコピーだ。当時のクラウンといえば、庶民が憬れる高級車で、家や家電製品のように購入することが成功の証でもあった。クラウンが爆発的に売れた時代だ。
10年落ち以内なら13代目S20型か
現行型や年式が新しいモデルは、中古車でも価格が高い。だいたい300万円代以上、中には600万円代のものさえある。
価格が安いモデルを狙うのであれば、おのずと古い年式のモデルを選択することになるが、できれば「10年落ち」以内のクルマがいい。初年度登録から13年を経過すると、車検時の自動車重量税や毎年支払う自動車税種別割などが高くなるからだ。
例えば、自動車税種別割では、13年以上経過したクラウンの2.5Lエンジン車でも4万5000円/年が5万1700円/年になる。3.0L車や3.5L車はさらに高くなる。また、年式が古ければ古いほど交換部品や故障箇所なども増えていく。
12代目の刷新「ゼロクラウン」も狙い目
10年落ち以上の年式でもよければ、2003年~2008年に販売された12代目S18型(180系)も、タマ数は比較的多い。通称「ゼロクラウン」として大きな人気を得たモデルだ。
前述の「いつかはクラウン」とかつて憬れの対象だったクラウンも、1999年に発売された11代目あたりでは、時代の移り変わりにより「おじさんのクルマ」とか、「クラウンといえばタクシー」といったネガなイメージも強くなっていた。
そこで、12代目はエクステリアやインテリアをはじめ、シャーシ、エンジン、サスペンションなどを一新。エンジンは直6からV6に変わり、ドライブトレインはシーケンシャルモード付き6速オートマチック・トランスミッションに進化するなど、すべてが生まれ変わった。エンジンには、やはり2.5L、3.0L、3.5Lの3タイプがある。
タマ数は13代目ほどではないが、そこそこ多い。参考的な相場価格帯は9万円代~205万円程度で、価格的には13代目より安い車両も多い。
もちろん、年式が古いぶん、交換部品や修理が必要な場所が多くなる可能性もある。だが、「ゼロクラウン」という一世を風靡したモデルを手にするという、お金では買えない価値は十分にある。それに、天下のトヨタが作った「自慢の高級車」だ。安価なコンパクトカーなどより、壊れにくいことは考えられる。もちろん中古車の場合は、それぞれの個体次第なので一概には言えないけれど。
ちなみに、いずれの年式も主なグレードはスポーティグレードのアスリートや高級グレードのロイヤルサルーンで、タマ数はどちらも同程度のようだ。
なお、同年代の兄弟車「クラウンマジェスタ」の中古車も、相場価格的にはあまり変わらないようだが、タマ数はやや少ない傾向だ。