必ずしも「アウトドアはSUVがベスト」ではない
アウトドア、それもキャンプに行く際、意外に勘違いしやすいのが、走破性に優れたSUVこそベストな選択……という落とし穴だ。
これまで、あちこちのキャンプ場を訪れた経験からすれば、日本のアウトドアフィールド、オートキャンプ場のほとんどは、幹線からのアクセス路、場内の道が整備されていて、それこそフツーの乗用車でもすんなり入れるようになっていることが多い。
そもそも本格的なキャンピングカーが、キャブコン、バンコンを含め、本格SUVベースでもなければ、最低地上高に余裕あるクルマでもないことからも、それが理解できると思う。つまり、SUVのタフな見た目や、走破性第一でキャンプのためのクルマを選ぶ必要は、まずないということだ。 しかも、アクセスの問題以上に、SUVがベストではない理由がある。
SUVよりミニバンのほうが明らかに荷物の積載量に余裕がある
それは、荷物の積載性。SUVでも大型になればそれなりの荷物の積載力を備えているが(3列シートモデルの3列目席を格納したようなケース)、コンパクトSUVやミドルサイズのSUVでは、ワゴンと変わらないラゲッジルームでしかない(トヨタ・ライズ、ダイハツ・ロッキー、トヨタRAV4などは後席よりラゲッジルームの容量、使い勝手を優先しているが……)。 ソロキャンプならともかく、家族や仲間揃ってのキャンプともなれば、持ち物は必然的に多くなり、とくに背の高い荷物の収納力という点では、なんとも物足りないのである。 実はずいぶん前に、三菱自動車が主催するスターキャンプに参加することがあった。そこでSUV、それも電源車となるPHEVがベストと思い、勢いで、三菱自動車からアウトランダーPHEVをお借りし、意気揚々と現場に到着した。 驚くことに、スターキャンプ百戦錬磨の、キャンプのプロと呼べる人たちの多くの愛車は、アウトランダーのようなSUVではなく、デリカD:5といったミニバンだったのである。どころか、周囲はデリカD:5だらけだったと記憶している。