ジウジアーロがデザインした工業製品
ニコンF3(1980年)
スペースシャトルにも搭載されたニコンF3。まだフィルム時代だったニコンの一眼レフの当時としては新シリーズとして発売されたモデル。極めてオーソドックスながらもバランスのとれたデザインが採択され、グリップ付け根の赤いラインがポイントだった。ほかにカメラ複数機種、サングラス、双眼鏡もデザインしている。筆者はフィルム時代はキヤノン派だったので、残念ながら所有経験はないが……。
セイコーの腕時計(1982年)
初出以降、何度か復刻版がリリースされたほか、このほかにもアナログのダイヤルで他のモデルも発売された。写真に写っている実物は、確か90年代に復刻された際に入手したもので、シリアルナンバー入り。“MODE”のモデル名で、ステアリングに手を置きながらでも見やすいよう、文字盤が25度傾けられ、見る角度を問わないよう凸面ガラスを用いている。
オカムラ・コンテッサ(2002年)
オフィスチェアを手がけるオカムラから発売された最初のモデルがこのコンテッサ(とバロン)。基本的な機能は一般の仕事椅子と同じだが、肘掛け、操作レバーなどディテールへのこだわりがジウジアーロらしい。写真は筆者仕事部屋にある実物の上に、同じ水色の写真が載っているカタログのページを開いて置いて撮ったもの。
三菱重工ビーバーエアコン(1992年)
かつて三菱重工業から発売されていたエアコンのうちの1機種に、ジウジアーロ・デザインのモデルがあった。何を隠そう、筆者はその存在を知るや否や飛びついた1人で、実物はすでにお役ご免となっており、証拠に(!?)手元に残した取説をカタログとともに写してみた。 室内機とリモコンが独自のデザインで、グリーンとベージュのハウジングに、ピアッツァあたりを思わす赤いピンストライプが引かれたデザインだった。
JVCカーオーディオ(1991年)
JVC(当時)のカーオーディオにあったジウジアーロ・デザイン。写真にははチューナーデッキとCDチェンジャーが写っているが、別のデザインのデッキがもう1シリーズあった。ショーモデルの“ASPID”のテールランプのイメージというオーバルをモチーフにしたデザインは、いかにもジウジアーロ!
ロードス・ノイエス(1992年)/カネボウAVA(1982年)
資生堂、カネボウの両社もジウジアーロのクライアントだった。ノイエスは男性化粧品ロードスの上級の製品でボトルをデザイン。AVAは斜めのパターンを基調にした、これも見るからにジウジアーロのデザイン。
まだまだある! ジウジアーロが手がけたプロダクト
私物(笑)でほかに手元にあるものでご紹介すると、カセットテープ(That’s)、ライター(ウインドミル)など。キーホルダー(キーは刻印でおわかりと思うが初代ピアッツァと117クーペのもの)はアパレルを立ち上げたころのものだったと思う。
もうひとつ円形の短い筒状の物体が写っているが、これはクルマのエアレジスターに挿して使うフレグランス。メーカー名は失念してしまったが、これもデザインがジウジアーロということで購入したもの。それと実物がないのでカタログを写してあるが、工具でおなじみのマキタの各種DIY工具(とロゴ)も手がけたプロダクトだ。 そのほか通販限定だったソニーのCD/MDプレーヤー、タイプライター、ミネラルウォーターのボトル、自転車(ブリヂストン)、ヘルメット(昭栄)や、当然ながらクルマのパーツ単体もアルミホイール、ステアリング、シートを始めホーンなども手がけている。これまで実に多岐にわたるジウジアーロ作品が生み出された。