NSXに続いてインテグラに「タイプR」が登場!
今でこそ、そのスペシャルな存在は多くの人に知られているところだが、1995年8月にホンダがインテグラタイプRを発表したときの衝撃といったらなかった。
たしかにホンダ自身がサーキットベストを目指した走りのグレード「タイプR」を最初に生み出したのは1992年のことだったが、そのときのベースはご存知のようにNSXであり、庶民には手の届かないモデルだった。
しかし、1.8Lエンジンを積む3ドアクーペ(DC2)と4ドアセダン(DB8)という割合に身近なラインアップであるインテグラにタイプRが登場したのだ。ついに誰もが手に入れることができるタイプRが登場したとホンダファン、スポーツカーファンは沸き立った。
誰の手にも届く「タイプR」が誕生/1995年8月発売
エンジンは排気量こそベース車同様だが、180psから200psへとパワーアップされた。そのために、手作業によるポート研磨、リフト量を増やした専用カムシャフト、フリクションを低減したピストン、拡大したスロットルバルブ、エキゾーストパイプの拡大といった専用チューンを受けている。赤い結晶塗装のカムカバーはタイプRの象徴となった。
5穴16インチホイール化のほか排気系などをリファイン/1998年1月発売
そんなインテグラタイプRが最初にマイナーチェンジを受けたのが1998年1月。このときの進化ポイントで目立ったのがタイヤのインチアップだ。最初のインテグラタイプR(96スペックと呼ばれる)では195/55R15サイズのタイヤで、ホイールも4穴仕様だったが、マイナーチェンジ後(こちらは98スペックと呼ばれる)では、タイヤが215/45R16へとサイズアップされた。
仕様はそのままに鮮やかなサンライトイエローを設定/1999年7月発売
この初代インテグラタイプRにおける最後のマイナーチェンジが1999年7月で、このときに登場したタイプをモデルイヤーにちなんで00スペックと呼ぶこともある。ただし、00スペックはメカニズム的には98スペック同様で、3ドアにサンライトイエローのボディ色が新設定されたのが大きなニュース。合わせてレカロシートにもイエローが用意された。
96か98かは二の次で最優先すべきはコンディション
だからといって96スペックが劣っているわけではない。たしかにタイヤサイズやブレーキ容量といった点では98スペックが優れているが、そのあたりはチューニングしてしまえば、どうにでもなる話だ。エンジンの違いにしてもエキゾーストマニホールドを替え、ECUチューンを施してしまえば、その差はないも同然になる。もっとも4穴ホイールの選択肢が少ないのは気になるかもしれないが……。