カスタムの世界ではいまだ少数派。見本となるべきその改造魂に迫る!
大人気のスズキ・ハスラーに対抗すべく、ダイハツが送り込んだ刺客がTAFT。ジャンルは同じクロスオーバーSUVだが、角張ったフォルムにワイド感を強調するフェンダーやギョロリとした大きなヘッドライトなど、よりオフ感を強調するタフなデザインが特徴だ。ただ、2020年6月のデビューから1年強が経過したにもかかわらず、アフターパーツメーカーのデモカー以外にこってりイジられたクルマの生息は皆無に近い。カスタムのジャンルではまだまだ希少種であるモディファイドTAFTをKING OF K-CAR Meetingで発見! その改造魂に迫りたい!
四国八十八カ所のお遍路旅のために車内改善。真っ先に着手したのは寒さ対策!?
これまで軽自動車ばかりを30台以上乗り継ぎ、いずれもカスタマイズしてきたとHEROさん。TAFTも購入してすぐ知人の工房に入庫し、モディファイを開始。今なお進化の途中だ。
「これまでジャンルを問わずさまざまなカスタムを手掛けてきました。基本はローライダーが好きなので、TAFTの前はベタベタのワゴンRでしたが、今回は流行のリフトアップを取り入れた車中泊仕様をチョイスしています。これは数年前からハマっている四国八十八カ所のお遍路巡りがキッカケで、馬鹿にならないホテル代を節約し、浮いたお金で美味いものを食べるほうが旅の醍醐味かなと考え、前の愛車から車中泊を始めました。今回は車内で過ごす時間が増えるならば、快適で心地よいほうがいいとクルマもカスタムもお遍路使用に特化して、内装のカスタムにも力を入れ始めたのです」
これまでの車中泊の経験から、何より優先したのは冬場の寒さ対策。天井や内装を一度すべて剥がして、徹底的に断熱材を貼り込んだ結果、冬だけでなく夏の冷房効率もアップ。副産物として遮音効果も高まり、停車中だけでなく、走行時の快適性が飛躍的に向上した。
目隠しにカーテン、家電や扇風機も完備するリヤセクションはまさにリビング!
室内のフロントセクションはボディカラーに合わせてインパネをベージュに塗装し、キャメルカラーのシートカバーを装着。これにファイヤーパターンのフロアマットにモコモコ感あるダッシュボードマット(FJ CRAFT)をセットした。さらにラットフィンクやアヒル隊長などキャラクターグッズを各所にちりばめるなどUSスタイルでコーディネイト。
ジャクリのポータブル電源を常備し、スマホの電源や小型家電も使用にも対応。天井にはスポットランプが埋め込まれ、運転席側ウィンドウには食事をしたときに臭いが車内にこもらないように換気用のファンを取りつけるなど、心地よく過ごすためのアイデアが満載。見ているだけでも楽しくなる。
ちょいアゲにデコボコタイヤ。LEDパーツの多様など流行りのスタイルを構築
遊び心と実用性が詰まったインテリアに負けじとエクステリアも技ありカスタムがてんこ盛り。車高はシルクロードのリフトアップキットで車検ギリギリの約40mmまでちょいアゲし、デコボコなタイヤパターンが足元に迫力を加えるTOYOのオープンカントリーRTでオフテイストを強調。
これに前後バンパーの艶消し塗装と縞板調のアンダーガード、ドアハンドル/ワイパーカバーの艶有りブラック塗装やワンオフで製作したオリジナルのノーズブラなどが名脇役としてビジュアルにスパイスを効かせている。このあたりは熟練カスタマーならではのツボを押さえたカスタマイズといえよう。
会員数120人以上! オーナーズクラブを設立し、TAFTライフはさらに充実
「僕のマシンメイクはドレスアップではなくあくまでもカスタマイズ。何かをオマージュするのではなく、ワン&オンリーなクルマを作りが理想。車検対応にこだわっているのもポイントですね。2021年8月にはお遍路も逆打ち(逆回り)、順打ち(正回り)もコンプリートするので、次はこのクルマで日本全国を巡りたいですね」
また、2020年6月にはTAFTのオーナーズクラブを設立し、現在の会員数は120台をオーバー。カスタマイズの先頭を走るだけでなく、オリジナルグッズを製作し、オフ会を開催するなどTAFTを存分にを楽しんでいる。
「やる限りは何事もやりつくしたい」と語るHEROさん。TAFT伝道師の描く未来はカスタムもカーライフもまだ道半ば。夢は無限に膨らむ。