会場でひと際輝いていた正統派ドレスアップカーの1台
全国の軽自動車(以下Kカー)ファンが「これだけは毎年参加する」と声を挙げるオンリーKなイベントが岡山国際サーキットで開催される「KING OF K-CAR(9月26日開催予定)」と今回潜入した「KING OF K-CAR Meeting」だ。前者がドレスアップコンテスト形式のハイエンドだが、後者はオフ会で何でもありのユル系。そのため、いわゆる”本気”のカスタマイズカーは少なかったが、これぞ正統派ドレスアップという1台を紹介する。
9年間ムーヴひと筋、時間の許す限りマシンメイクに没頭したまさに作品
ドレスアップはローダウンとホイール、エアロパーツにマフラーが定番だが、ステップアップすると車高はさらに低く、足元はよりワイドに、ルックスは目立つようにと進化。基本は自己満足の世界なのでオーナーがOKならば何でもあり。だが、さらにドレコン上位や雑誌の表紙を飾りたいとなると、トータルコーデや時代時代に合わせたモディファイが求められるなど、終着点がないのがドレスアップの面白さであり、奥深さでもある。
今回、会場を歩いて「これぞドレスアップの王道」という風格を醸し出していたのがTさんのムーヴ。L175型と呼ばれる4代目で、ワンモーションフォルムが特徴のドレスアップベースとして今なお人気の1台だ。
外観のハイライトはバンパーのダクト部分を活用した芸術的なパイピングレイアウト
ボディはレクサスRC Fの目の覚めるようなオレンジ(ソーラー・フレア)でオールペン。最近は手を加えているけれど、ボディカラーは控えめな大人スタイルも増えているが、見た目からしっかり存在感を主張。
ワイドホイールをツラウチギリに収めるためリヤのリジッドアクスルを捨てた
「まずはインターネットや雑誌を見まくって、自分の理想に近いものを探します。気に入らない部分はもちろん、他車種用しか設定がない場合も含めて加工。ちなみにリップはシックスセンスのアルファード用、ディフューザーはクールレーシングのスイフト用ですね。ヘッドライトはノーマルですが、中身はF50シーマ風のバルカンヘッドライト、ポジション&ウインカー兼用のL型LEDライトを組み合わせ、ひと味違う表情をメイクしてフェイスを引き立てています」
車高調も(日正タイヤ)3セット目で、バネレートを何度も変更してベストな低さと絶妙なキャンバー具合を検討。
ドレコン優勝ではなく、納得できるクルマに乗りたいからカスタムする
ビジュアル面だけでなくパフォーマンス面も強化。カスタム仕様のターボエンジンをスワップした上で、大型インタークーラーを前面にレイアウト。
ドレスアップカーコンテストでも上位を狙える完成度の高さだが、当のTさんはあまり関心がなく、「カスタマイズカーが好きで自分が納得できるクルマに乗りたい」という思いで製作に没頭しているそうだ。
「やるからにはとことん突き詰めたいし、いまもアイディアが山ほどあります。終わりがないのが楽しいし、やりがいがあるのですが、エクステリアの仕上がりに納得できないので、いつまでたってもインテリアに着手できないのが悩みでしょうか」