師事する国沢光宏氏からマニアックにカスタムしたサンバーを譲り受ける
【スバル・サンバートラック/2001年式】
私はRRで4気筒エンジンを搭載する点など、マニアックかつ走る歓びに溢れたスバル製のサンバーも乗りたかったクルマの1台だった。
サンバーを自分のものにするチャンスが訪れたのは、2代目センチュリーがやって来た翌月。私のボスである国沢光宏氏が所有し、こだわりのカスタマイズを行っていく企画としてCARトップで連載していたクルマでもあった。
その車両を手放すということになり、到来したチャンスに私は、ややオーバーながら「これを逃したら、きっとサンバーを自分のものにすることは一生ない!」と胸が高鳴り、安価だったこともあって、譲り受ける決断をした。これでサンバーと2代目センチュリーという20世紀の日本車のある意味、底辺と頂点のコンビ結成である。
このサンバーはSUBARUマガシンで1年ほど連載し、人生初の新品ホイール&オフロードタイヤを装着して、今流行りの「シャコアゲ」をするなどの経験に加えて、単純ながらサンバーでドライブしていると理屈抜きに楽しく、いい思い出になった。
なお、維持費は軽トラックなので激安だったが、燃費は軽トラックと考えると「ウーン」と感じるくらい悪かった(笑)。
また、これははじめから自分でわかっていたことながら、私は仕事以外あまり外にも出ないインドア派なので、「荷物を積む」というサンバーらしい使い方をしたのは知人に数回貸したときだけ。センチュリーと同様に必要性はまったくなかったというのも、私らしいオチである。 サンバーは現在乗っているGRヤリスを購入したこともあり最終的に2年ほど乗って読者の方に譲った。
四の五の考えず「やってみた!」ことで得られた物は大きかった
幸い2台とも大きなトラブルがなかったため想定外の出費はなかったが、「こういったカーライフを人に勧めるか?」と言われたら、答えは即座に「ノー」だ。しかし、自動車メディアのフリーランスという私の場合は出費以上の経験ができたことに加え、この「デコ」「ボコ」な2台を所有したことでフリーランスに重要な「いい意味でのアホ」と思ってもらえたためなのか、仕事がいい方向に回り始めた。そのためターニングポイントという見方をすれば、この2台から私が与えてもらったものは非常に大きかったと言える。 というわけで結論は、センチュリー絡みの原稿で何度か書いたことだが、「クルマに限らず、無理のない範囲でしたいことがあるならやるべき。やれば何か得られるし、『やって後悔するのと、やらないで後悔する』のでは前者の方がいいのでは?」である!