乾燥したフンは洗い流すか、ふやかして除去
付着している鳥糞を見つけたら一刻も早い除去が肝心だ。とくに日差しの強い晴天時や夏場、あるいはエンジンの熱が伝わって余計に熱を帯びやすいボンネットは、フンが瞬時に焼き付いて取りにくくなる。さらに、侵食がコーティング膜にとどまらず、塗膜まで及ぶ可能性が高い。
本当なら、まだ粘性のある“半生”状態が好ましいが、見つけた時はすでに乾燥していることがほとんどだろう。ティッシュペーパーなどで雑に拭き取ろうとすると、フンの中の硬い異物を塗膜に擦りつけてしまう。まずは、フンをふやかすこと。
出先なら最低でもウエットティッシュ、あるいは十分に水を含ませたティッシュや柔らかいウエスで優しく拭き取りたい。直接フンに触れず、ホースの水でカーシャンプーを併用して洗い流せばそれに越したことはない。
仮に侵食が進んでしまっている場合、淡色系の塗装なら小傷などを消すクリーナー(極細のコンパウンド)で目立たなくすることもできる。だが冒頭でも触れたように濃色車は、磨き傷など、逆に塗膜にダメージを与えかねないので注意が必要。
無理はせず、補修はプロの業者に委ねたほうが無難かもしれない。そもそもコーティングを施工したクルマの場合、磨きを入れればコーティングの被膜は剥離し、部分的にでも再施工が必要になるのだ。
コーティングは塗膜を守る“犠牲被膜”
ここまでの話で、「なんだ、コーティングは鳥糞に無効なのか」と思う人もいるかもしれないが、それは違う。コーティングの被膜は、美観の維持や撥水効果だけでなく、塗膜を酸性物質や紫外線、オゾンなどから保護する目的で、ダメージを代わりに受けて徐々に効力を失うもの。“犠牲被膜”とも呼ばれる。侵されることが前提、だからこそ繰り返し再施工が求められるのだ。 仮にコーティングを施工していなかったら、鳥糞がダイレクトに塗膜を侵食。復元できないほどの変色や退色、シミ、ツヤ引けなど、取り返しのつかないダメージを負う可能性が高い。金銭的に厳しいなら、とりあえずDIYタイプでかまわない。コーティングで当該箇所の塗膜を保護しておくのが望ましい。