暗所での撮影に有効なF値や各種映像処理機能も大事
カメラのF値についてはどうか。これは数値が低い方が明るいレンズであることを指す。小さなセンサーで撮影するドラレコだけに、このレンズの明るさは暗い場所での撮影に大きく貢献することになる。とくにノイズの発生が抑えられるメリットは大きい。また、この特性を活かすためにも暗所特性に優れたセンサー(ソニー「STARVIS」など)との組み合わせがベストになるだろう。
ドライブ中はさまざまなシーンに出会う。たとえば逆光下では黒つぶれが、トンネル出口付近では白飛びが発生しやすくなる。これは人間の眼も同じだ。そこで役立つのが「WDR(ワイドダイナミックレンジ)」や「HDR(ハイダイナミックレンジ)」機能だ。これらは明るさを自動調整して、明暗差のついた見やすい画像にするもの。映像を正確に捉えるべきドラレコでは、欠かせない機能となっている。
いずれも機能的に同じ効果を持つが、強いて違いを言えばHDRはソフトフェアを使った画像補正であり、WDRはイメージセンサーなどカメラ部で行う補正機能となる。効果としてはHDRの方が大きいが、これを頻繁に行えばハード側の負荷が大きくなり、状況によっては処理が追いつかず低レートの映像(画質が悪い)となってしまうこともある。一方でWDRはカメラ側で補正してしまうため、ハードとしての負荷は低いが補正範囲は限界があり、結果としてHDRに比べて補正幅は小さめとなる。
最近はこれらの機能を謳わずとも、カメラとしてのダイナミックレンジ能力を高めることで黒つぶれや白飛びを上手に抑える機種も登場している。その意味では使ってみないとその効果はわからない、というのが正直なところだ。
最近増えているLED信号機への対応も重要
ドラレコのLED信号対策も重要なポイントだ。LED信号は電源周波数の影響によって、目ではわからない速さで点滅を繰り返している。これが影響してドラレコには点滅(チラツキ)現象となって記録されてしまう。そのフレームレートは少し前まで大半が30Hzで記録されていたから、電源周波数が50Hzの東日本では影響がなかったものの、60Hzの西日本では完全同期する状況が頻発。信号が点灯しない“無信号”状態で記録されていた。
そこで最近はドラレコの記録フレームレートを、27.5Hzなどに若干ずらして撮影した映像を記録するのが一般的となっている。これにより東日本/西日本ともLED信号の点滅と同期しなくなり、無信号状態は回避できるようになったのだ。ただ、一部機種では今もなお東日本と西日本で切り替えを要求するドラレコも残っているので注意したい。
簡単に手動録画できる機種は万が一の際も安心
最後に操作系について。ドラレコはエンジンをONすれば自動的に記録を始めるため、操作系についてはそれほど気にする必要はない。ただ、手動で記録したいシーンに遭遇したときに、操作がわかりにくいと記録できないままで終わってしまうこともある。そうした事態を招かないためにもワンタッチで記録できるよう、専用ボタンを用意している機種を選びたい。また、ドラレコでは静止画で記録できる機種も数多いが、これも簡単な操作で撮影できるかを確かめておくといいだろう。