タフネスなマシン特性もあってダメージが少なく参戦コストはリーズナブル
もともと凹凸の激しいラフロードを、長時間走りきるための地上高とタフさを備えた重量級マシンが、整備されたフラットダートでこのタイムが出せるのは立派なもの。特筆すべきは、この2台は1日1回のみの給油と1セットのタイヤで全日程を走りきったことだろう。海外のラリーレイドを戦うマシンにとって、SSの総距離が108.84kmと短いコースではダメージは皆無。
ラリー自体は48台中15台がリタイアするタフなものとなったが、2台のハイラックスは何れも1日2回設定されたサービス(メンテナンス)を簡単なチェックだけで済ましている。 そのため、じつは参戦コストも非常にリーズナブルだったと両チームの関係者は口を揃える。それはヘビーデューティなマシンの意外なメリットであった。
TRDは9月のラリー北海道にも参戦! その激しい走りにも注目
ピックアップトラックは東南アジアをはじめ世界各地で開催されるモータースポーツ参戦車両として人気があり、グローバル戦略車でもあることから多くのメーカーがしのぎを削るカテゴリーだ。
もちろんハイラックスも、その人気の一翼を担うモデルで世界各地で販売されてる。そんなハイラックスが日本のモータースポーツフィールドに登場したことは興味深い。9月には全日本ラリー第6戦「ラリー北海道」でもOP-XCクラスが設定される予定で、TRDはすでに参戦を表明している(編集部注:8月20〜22日にて開催の第8戦・横手ラリーが新型コロナ感染症対策のため延期・中止を申請しました。第9戦・ラリー北海道についても全国の感染拡大の状況次第では延期・中止になる場合があります)。
マシンの規定は、現状JAFが定める安全装備を満たせば大きな制約がない。タイヤもMT(マッドテレーン=泥道など荒れた路面での走破力も高いブロックの大きなタイヤ)が路面保護のため使えず、AT(オールテレーン)に限られるものの参戦のハードルはさほど高くない。
OP-XCクラスの新設により、日本人にあまり知られていなかったカテゴリーのモータースポーツが全日本ラリーから新たに生まれることは歓迎だ。細かなレギュレーションや参加台数など、このクラスの今後の動向にも注目していきたい。