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ノーマルだとドリフトできなかった? クルマ好き永遠のアイドル「AE86」が今なお人気の理由とは

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TEXT: 中谷明彦  PHOTO: 大内明彦/トヨタ自動車/Auto Messe Web

あのグループAでも大活躍していた

 じつはあまり知られていないのだが、1985年に開催された全日本グループA選手権第4戦・鈴鹿300キロレースに、まだ編集部員でありながら、AE86レビンのグループAマシンで選手権を競っているトップコンテンダーであった、トーヨータイヤのトランピオチームからスポット参戦させてもらったことがある。

トランピオAE86 大内

 組ませていただいたのは選手権首位を争う星野薫選手と、高木虎之介選手の実父である高木政巳選手。まだ実績のない若手だった僕に、千載一遇のチャンスを与えてくれたのだ。エンジンは名チューナーとして名高い鳥居チューンの手による。初めて走らせた鈴鹿では、あらゆるコーナーで横を向く超オーバーステア特性で、市販車との特性の違いに驚かされた。

 しかも決勝はいきなりの雨。ウエット走行未経験の僕にチームはレースの大半を任せてくれ、鈴鹿の1コーナーから逆バンク、ダンロップコーナー、スプーンコーナーなどでパワースライドをコントロールしながら必死に走った。その結果はなんと総合2位! この好成績も効を奏し、1カ月後には三菱ワークスから声がかかり、三菱スタリオン・ターボでインターテックにデビューすることになったのだ。

 AE86は登場当時、新車価格で130万円ほど。雪道でのパワースライド走行が楽し過ぎて、なんとしても購入したかったが、編集部員の給料では手が届かず断念したのが思い出だ。人々はなぜ今でもAE86に惹かれるのか。その答えは明白だ。若い当時の僕が感じていたパワースライド走行、ドリフト走行を楽しみたいという純粋な気持ちを、現代も多くの人が持ち続けているからにほかならない。

レビンのサーキット走行

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