レガシィB4/ツーリングワゴン 2.5GT tS
レガシィシリーズ最後のMTを設定(本稿執筆時点)していた5代目前期GT Sパッケージをベースに、STIがシャーシを中心にチューニング。 マニアからはその見た目や乗り味の「ユルさ」が指摘された5代目だが、STIの手にかかれば驚くほど機敏でしなやかな走りへと変貌することを体感できるモデルだ。
インテリアも専用シートや専用メーターパネル、ブラックインテリアがスポーティな装い。 エクステリアはSTI製エアロパーツをフル装備するが、ベース車と比較しても控えめな印象。だがtSシリーズならではの専用ボディ色「WRブルー・マイカ」が選択できるのはSTIコンプリートカーの特権だ。
5代目=アイサイトのイメージが強いが、2.5GT tSは前期モデルがベースとなるためアイサイトは非搭載(後期型NAモデルの2.5iアイサイトtSには装備される)。その代わりではないが、スバル全モデルのなかでもEJ25+エンジン直下ターボの組み合わせは5代目前期モデルのみであり、さらにはレガシィシリーズ最後のMTかつSTIコンプリートカーという点でも希少性は高い。
フォレスターtS
フォレスターは初代モデルからSTIの名を冠したカタログモデル、またはコンプリートモデルが設定されるほどSUVらしからぬスポーティな走りを秘めたモデルだ。残念ながら現行モデルではSTIの設定はないが、今後レヴォーグやインプレッサのように、STI Sportの追加設定を期待したいところだ。
そんな歴代フォレスターのなかで、現時点で最後のSTIモデルとなるのが先代のターボモデル「XT」をベースにしたtSだ。2L直噴ターボDITエンジンの持つ280ps/350N・mという圧倒的なパワーはそのままに、tSシリーズとしては稀なECU(エンジンコントロールユニット)、TCU(トランスミッションコントロールユニット)のコンピューターチューニングが施されている。
具体的にはECUでSIドライブをS#にセレクトすることで、わずかなアクセル開度でトルクの盛り上がりを向上。さらにTCUで同じくS#時にステップ変速もクロスレシオ化するチューニングが施されている。 これによりフレキシブルシリーズの採用やベースモデルから15mmローダウンされた車高、19インチの専用BBS鍛造ホイールといったシャーシチューニングも相まって、オンロードでもスポーティな身のこなしを披露。その走りはSUVであることを忘れてしまうほどだ。
さらにロングドライブには嬉しい運転支援システム「アイサイト ver.2」が標準装備される点も見逃せない。わずか300台という少数限定車だが、200万円台中盤から300万円台後半の個体が4台ほど中古車情報サイトに掲載されていた。
エクシーガtS
スバルのラインアップから惜しまれつつ姿を消したエクシーガ。7人乗りながら抜群の運動性能を持つモデルとして、ミニバン界に一石を投じたモデルである。EJ20ターボエンジンを搭載したGTは、多人数乗車のなかからクルマをチョイスしなくてはいけない走り好きのお父さんからも支持された。
そんな快速7シーターモデルをベースとしたSTIコンプリートカーはモデルライフ中で、2度登場。2009年に300台限定で登場したエクシーガ2.0GT tuned by STIと、2012年登場のエクシーガ tSだ。 両車ともに7シーターモデルとは思えないスポーティな走りが魅力だが、今回は後期型をベースにしたtSを推したい。
理由はSTI製フレキシブルドロースティフナーの追加装着に加え、ブレンボ製ブレーキの採用、18インチに拡大されたホイールサイズに注目した。 理由は多人数乗車だからこそ、より強力なストッピングパワーは魅力的なアイテムとなるから。新車当時の価格は300台限定で374万8500円。中古車情報サイトには、本稿執筆時点でわずか2台の掲載だが価格は100万円台後半とSTI製コンプリートカーとしてはかなりリーズナブルだ。