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「起動電力」ってナニ? キャンプをもっと快適にする「AC電源搭載車」の賢い選び方

電気でキャンプのイメージ AMW

現代のキャンプは家電をうまく使うのがポイント

 炊飯器やホットプレート、そして送風機など、家電の有効活用が現代のアウトドア、キャンプでは重要なポイントかつ充実度の決め手になる。家電を駆使することで、キャンプ初心者やキャンプに慣れていない女性や子どもも、いちだんとキャンプが快適に楽しめるというわけだ。

 キャンプで電気の使用を最初からあきらめる、キャンプサイトの電源に頼る……というのは過去の話だ。クルマの電動化とともに、電動車に装備されるAC100V/1500W電源(コンセント)を利用(併用)するのが今風なのである。

 そこで、アウトドアやキャンプに向く、家電品が車内外で使えるAC100V/1500W電源(コンセント)を用意しているクルマを紹介したい。おっと、その前に家電がそれぞれどのぐらいの電力を消費するかも知っておくべきだろう。1500Wを超えての使用ができないからである。

起動電力が高くて使えない場合も……

 まず、キャンプに持っていくと絶対便利な家電品のなかでも、電源ONの瞬間に電力をグーンと使う起動電力の大きいもの(表記の後者は起動電力)からピックアップしよう。小型電気ポット(900W/950W)、小型冷温庫(80W/250W)、電子レンジ(950W/1450W)などが挙げられる。とくに電子レンジは、ほかの家電との併用を避けなければならないことがわかる。

 つぎに、起動電力を気にしなくていい家電品としては、暑い時期のテント内に不可欠な扇風機(30W)、コーヒー党にはたまらないコーヒーメーカー(650W)、調理、焼肉などに活躍するホットプレート(1300W)、テント内の夜の照明にあると嬉しいLEDスタンド(20W)という感じだ。つまり、夜、扇風機とLEDスタンド、コーヒーメーカーなどは併用が可能ということだ(あくまで目安。実際に使う家電品の消費電力を要確認)。

やはりプラグインHVがオススメ!

 では、そんな家電品が使えるキャンプで大活躍してくれるクルマと言えば、やはり搭載バッテリーの容量に余裕があるプラグインハイブリッドが適している。具体的には、三菱エクリプス クロスPHEVの場合、満充電の状態で一般家庭の最大約1日分、エンジンでの発電も組み合わせれば、ガソリン満タンで最大約10日分の電力量が供給可能なのだから、頼もしい。

 よって、最有力候補としてアウトドア、キャンプシーンにぴったりで、悪路走行にも強い車種、つまりSUVのPHEV、PHVをピックアップ。すると、上記の三菱エクリプス クロスPHEV、同等の給電性能を持つ三菱アウトランダーPHEV、そしてトヨタRAV4 PHVが挙げられる。

 ただし、PHEV、PHVはまだまだ割高(ガソリン車、HVと比べた場合)。比較的手ごろな価格の電動車でAC100V/1500W電源(コンセント)を用意しているクルマもある。さすがにグレードによって最大4個も装備しているアルファードHVは、アウトドアやキャンプには高級すぎて(!?)かなり微妙。

 だが、カジュアルなミニバンのトヨタ・ヴォクシー&ノアHV、トヨタ・シエンタ(FUNBASE)HV、ホンダ・ステップワゴンe:HEV(HV)、ワゴンのトヨタ・カローラツーリングHVのAC100V/1500W電源(コンセント)装着車(車種によってOP設定)であれば、価格的にも手に入れやすく、さらに車中泊もしやすいというメリットがある。

快適に過ごすためにはコンセントの位置も大事

 ただし、アウトドア、キャンプの現場でAC100V/1500W電源(コンセント)を使ってみるとわかるのだが、その数、設置場所によって使いやすさが異なってくるのも事実だ。各車の位置をチェックしてみると、ステップワゴンe:HEVは運転席と助手席の間のコンソール。エクリプス クロスPHEVはラゲッジルーム。アウトランダーPHEVはセンターコンソール後端とラゲッジルームの2カ所。ヴォクシー&ノアHVや、アウトドア仕様もあったシエンタ(FUNBASE)HV、カローラツーリングHVはキャビン部分とラゲッジルームの2カ所に用意されている。

 使い勝手面では、AC100V/1500W電源(コンセント)が車内2カ所にあるほうが使いやすいのは当然だ。走行中に使う場合は、もちろんキャビン側、センターコンソール付近にあると便利である。だが、アウトドアやキャンプシーンでは、キャビン側、ラゲッジルームの両方にあるほうが、より使いやすい。というのは、室内側にあれば家電品をクルマの横に置ける。ラゲッジルームにあれば、バックドアを開けたラゲッジスペース内、またはクルマの後ろにセットしたテーブルなどで家電品が使いやすくなり、(電源コードの引き回し、コードの長さによる)よりフレキシブルに電源が使えるというわけだ。

 注意したいのは、停車中、AC100V/1500W電源(コンセント)に家電品をつなぎ使っていると、バッテリー残量によって、充電のためエンジンが自動で始動してしまうこと。そのため、静まり返った深夜のアウトドアやキャンプフィールドでは、周囲に配慮することが鉄則だ。

災害時にも使えるため全車標準化に期待!

 ちなみに、これからの電動車時代に、国産車の装備としてAC100V/1500W電源(コンセント)が不可欠になるかも知れない。というのは、HVモデルのみで展開するコンパクトカーの新型トヨタ・アクアには、アウトドア向きのクルマではないにもかかわらずAC100V/1500W電源(コンセント)が、非常時対応として、全グレードに標準装備されるのだ(快挙!!)。

 災害、地震大国の日本では、アウトドア、キャンプ、そしてワーケーションではもちろん、災害時にも非常給電設備(車)として大活躍してくれるAC100V/1500W電源(コンセント)や給電機能。これらはじつに頼りになる、ただ便利なだけではない究極の安心装備と言っていい。

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