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ちょっと意外? レース初心者が参戦するなら「現行車のワンメイク」を激推しする理由

ワンメイクレースのスタートシーン

予算次第で選択肢はいろいろある!

 サーキットで観戦するだけじゃなく、自分もレースに参加したい。そんな願望を抱くクルマ好きは意外に多いはず。86/BRZやヤリスのような自動車メーカーが主導するレースを筆頭に、地方戦とも呼ばれるサーキット独自のカテゴリーも多々ある。さらに、JAFのライセンスが不要な草レースまで含めれば、目的や住んでいる地域に応じて選び放題といっていい状況だ。

 とはいえ必要なレーシングギアやメンテナンスの費用、サーキットまで自走するか積載車を使うかなどによって、参戦に必要なコストや手間は大きく異なる。そこで初心者が選ぶべきレースを、車両代を含め予算の面から考察してみたい。

マイカーで気軽に参戦できる草レース

 もっとも手軽なのはいわゆる草レース。マイカーで参加できるイベントが大半だし、改造に関する規定もほぼフリーといっていい。おもにチューニングショップやイベント会社が主催しており、安全面こそJAF公認のレースにおよばないが、自由度とコストの安さはビギナーにとって大きな魅力だ。

 同じ草レースでも参加できる車両を新規格NAの軽自動車に限定した『東北660選手権』のように、改造範囲や安全規定が細かく決められたイベントも全国的に増えている。手軽かつJAF公認レースに近い雰囲気を希望するなら、そこから始めてもいい。

サーキットごとに開催されるJAF公認レース

 次は富士フレッシュマンのような、サーキットごとに開催されるJAF公認レース。車種ごとのワンメイクまたは混走という形式だが、その多くは現行モデルじゃなく旧型がメインなので、中古のレーシングカーを格安で手に入れやすい。一部には複数のコース(筑波サーキットとツインリンクもてぎなど)で開催するレースもあるが、全国を転戦するカテゴリーに比べれば遠征の費用は安いし、いくつものサーキットライセンスを取得して練習する必要もない。

 ただし当然ながらJAFのライセンスは必須だし、レーシングギアもFIAの公認モデルが必要となる。さらにN1と呼ばれるカテゴリーはナンバーがない車両なので、レース当日はモチロン練習やプロショップに運ぶ際も、すべて積載車を使わなければいけないことも忘れるべからず。

 いま狙い目なのはヤリスが出たことで型落ちになった、旧型ヴィッツ(NCP131)を使ったレースだ。北は十勝スピードウェイから南はオートポリスまで、各地のサーキットでスプリントレースや耐久レースが行なわれている。レース車両はそこそこの数が出まわっているし、ナンバー付きなので自走できるのもメリットだ。

軍資金が潤沢にあるなら「現行車ワンメイクレース」がオススメ

 予算が潤沢にあって本格的なレースを希望するなら、86/BRZやヤリスなどの現行車ワンメイク一択だろう。レース車両はヤリスで217万1100円(6速MT)とそれなりの金額で、初めてのレースに選ぶのはかなりの予算と覚悟がいる。しかしスーパーGTのようなビッグレースと併催されることが多かったり、ホスピタリティの充実といったメリットも見逃せない。

 それらのなかで注目したいのは「N-ONEオーナーズカップ」だ。何が面白いかというとトランスミッションがCVTなので、AT限定の運転免許しか持っていなくても参加できること。MTが当たり前の世代からは「ATで走って楽しいの?」なんて声もあったが、毎回50台ほどのエントリーが集まるのが何よりの証拠というしかない。

 おまけにナンバー付きで街乗りも快適にこなせるうえ、軽自動車なので維持費はリーズナブルだし、ロールケージを装着した後も定員は4名のまま。北海道から九州までのサーキットで開催されるレースなので、フル参戦は予算的にも日程的にも難しいかもしれない。しかし、まずは地元や近隣のコースに絞ってエントリーするだけでも十分だ。今やAT限定の免許を取得する人は7割に迫るといわれており、そこも含め初心者のデビューにピッタリなレースのひとつかもしれない。

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