1990年代の人気国産スポーツセダンをプレイバック
ミニバンやSUVが全盛期の今では想像しにくいかもしれないが、1990年代に乗用車といえば圧倒的にセダンが主流だった。そうした1990年代のセダンのなかで、走りの良さとスタイリングから人気があったスポーティセダンをいくつか振り返ってみることにしよう。
トヨタ・チェイサー(JZX100)
80年代のハイソカーブームの頃から人気があった、マークⅡ、クレスタ、チェイサーの三兄弟。1992年にツインターボの1JZエンジンが搭載された90系のツアラーVが登場したことで、チューニングベース車両として存在感が出てくる。
人気の秘密は、ストレート6のターボエンジン、FRの駆動方式、MT、そしてちょっと厳ついフェイス、さらに70&80スープラからエンジンやブレーキなど流用できるパーツが多かったのも大きい。
日産プリメーラ(P10)
1990年に登場した欧州志向の質実剛健な2リッターセダンが初代プリメーラ(P10)だ。
R32スカイラインと並んで、日産の901活動の代表的な車種で、しっかりしたボディと新開発のマルチリンクサス(フロント)によって、小気味のいいハンドリングと、コシのあるサスペンションを実現。やや固めの味付けだったが、長距離を乗っても疲れないアシで、日産のFF車のなかでは画期的なシャーシ性能を誇っていた。
モータースポーツでは、JTCCに日産ワークスが参戦し、長谷見昌弘、星野一義がドライブ。インターTECでは4連勝を果たしている。 日産の良心が詰まったセダンだった。
トヨタ・アリスト(JZS147)
80スープラよりも先に、3Lツインターボの2JZエンジンを搭載したのが初代アリスト。280psのハイパワーで、国内最速セダンと呼ばれた一台。
もともと海外ではレクサスブランドの「GS」として売られていて、3代目は国内でもアリストではなく「レクサスGS」として販売された。
日産シーマ(Y31)
女優の伊藤かずえが30年以上乗り続け、日産(オーテックジャパン)が正式にレストア作業を行っている初代シーマ。1988年に登場し、デビューから1年で3万6400台も売れる大ヒットに!「シーマ現象」と呼ばれるほど注目を集めた。
セラミックターボのVG30DET(255ps)を搭載し、4速ATのシフトレバーをDに入れ、アクセルを床まで踏み込めばリヤは沈んでフロントは浮き上がり、スポーツカー顔負けの加速力をみせた。
ホンダ・アコード(CD型)
1993年デビューの5代目アコードは、アメリカの新しい安全基準を満たすために全車が3ナンバーになったモデルだ。
エンジンもキャブレターからインジェクター(PGM-FI)にスイッチし、エンジンも2.2L VTECのH22Aはトルクバンドが広く、使いやすくパワフルだった。
ハンドリングもよく仕上がっていて、JTCCレースでは、1996年にジャックスアコードの服部直貴が、1997年にはカストロールアコードの中子 修がチャンピオンになっている。
マツダ・ランティス(CBAEP)
バブルの最中、販売チャンネルを5チャンネル化するという博打を打ったマツダが作った意欲作だ。ファミリアベースで開発され、1993年に発売。小泉巌がデザインしたボディは、ヨーロッパ風の個性的なデザインでいま見てもけっこう美しい。
番外編:アルファロメオ155
これは番外編。アルファロメオ 155は1992年に登場。