暑いからといって油断してはダメ!
季節によってキャンプの服装は大きく変わるもの。ウインターシーズンは気温の低さが快適性だけでなく「命」の危険にも直結することもあります。キャンパーたちは注意を払っているようですが、意外な落とし穴があるのが“夏キャン”と呼ばれるサマーシーズンのキャンプです。気温が高いから薄着で大丈夫……と思うのは早計。ここでは夏キャンの宿泊スタイルについて考えてみましょう。
夜には一気に気温が下がる可能性も
夏のキャンプスタイルはTシャツ&ハーフパンツが定番です。しかし気温が高い日中は快適ですが、標高の高いキャンプ場では意外と紫外線が強いので日焼けに注意です。とくに女性キャンパーの場合、露出している部分に日焼けの跡が残ってしまい後悔することも……。標高の高いキャンプ場は日中と朝晩の気温差が大きく、薄着でいると体調を崩す原因にもなります。また、薄着のデメリットは防虫対策が劣ることでもあり、日焼け止めと同時に防虫スプレーを塗布しておくと良いでしょう。
サマーシーズンに人気の高原や渓流のキャンプ場では日中と朝夕の気温差が大きいことは先にも述べましたが、その影響はテント泊で顕著に表れます。日中は気温が30度を越える場所でも、夜間の冷え込みで10度という場所も少なくありません。また、天候が悪化した場合にはさらに気温が下がることも考えられるので、夏キャンであってもテント泊対策をしっかりと準備しておきましょう。
ホテルや旅館の部屋は壁や床に断熱材が入れられ、快適さを維持する冷暖房が設備されています。ですが、テントはどの季節でも布一枚で外気に対峙する厳しい環境を強いられます。多くのキャンパーは冬のキャンプでは温かさを維持することに力を入れますが、夏のキャンプは「涼しさ」だけに注意がいきがち。しかし、気温差の大きな場所では夜間の冷え込みで寒い思いをしないよう、薄手のフリースやブランケットを用意しておきましょう。備えあれば憂いなしの諺ではありませんが、万が一のリスクに備えておくことがキャンパーの心得なのです。
荷物の置き方や設置の向きでも快適性は変わる
逆に標高の低いキャンプ場ではと考えたとき、安眠・快眠対策が必要になります。熱帯夜でのテント泊は寝苦しく、熱中症を起こすこともあるので注意しましょう。テント泊をするときにはテントの構造をしっかりと把握し、空気が通るベンチュレーション部分を荷物で塞いでいないか、防虫ネットを閉めた窓部分がしっかりと開いているかを確認し、テント内に熱が溜まらないように心掛けてください。テントを張る場合には風が抜ける方向にテントを張ることで、室内の温度が大きく変わることも覚えておきましょう。
さらには快眠をサポートする、通気性に優れたブランケットや冷感マットも効果的。シュラフを使う場合にはタグに表示されている「快適睡眠温度域」や「下限温度」の表示をしっかりと確認し、冬場とは逆に対応温度の低いモノを使いましょう。形状としておすすめなのは封筒型と呼ばれるもので、サイドのファスナーを大きく開ければ内部の熱を放出することで温度を簡単に調節することができます。
電化製品などをうまく使うことも大事
夏キャンではテント泊とは別にハンモック型のテントもおすすめです。ハンモックを吊るせる木がない場所では専用の台(ベースフレーム)が必要になりますが、地上から離れた位置に就寝スペースを作ることで快適な睡眠を得ることができます。防虫対策としてネットが装備されているものであれば虫除けと涼しさが両立でき、夏キャンに最適なアイテムとして人気が高まっています。
最近ではポータブル電源を使い、サーキュレーターや冷風扇で室内の温度を下げるのもスタンダードになっています。自宅で扇風機を使うように空気を撹拌し、風によって体温やテント内、車内(車中泊の場合)の温度を下げることで快適を得る。キャンプに電化製品を用いるのは邪道というのは昔の話。今は快適性を優先したハイブリッドキャンプが当たり前の時代になっているのです。