「小さな失敗」は今後のステップアップに繋がる
細い山道の先にある野営地に向かう場合、クルマでは「対向車とすれ違える場所はあるか」「万一、先が通行止めになっていたら転回する場所はあるのか」などの不安があるが、バイクでは無理せずトコトコ走っていれば対向車を避けられるし、通行止めの場合もなんとか引き返せるのがアドバンテージだ。 半面、転倒したとき、ソロではどうにもならないことがある。ケガはもちろん、道の下に落ちてしまう危険はゼロではない。
バイクは低速時に転びやすいので、慎重さが徒となって転ぶと重いバイクの下から抜け出せないことがある。こうなるとケガはなくても通りすがりの人が来るまで何もできないのことも、ないとは言えないのだ。
また、管理人が朝・夕に見回りにくるだけのひと気の少ないキャンプ場はのんびりできるのがいいが、野生動物や不審者、土砂災害などの情報が入りづらい。最寄りのガソリンスタンドや商店で様子を聞くなど、用心するにこしたことはない。
もちろん家族や知人に行き先を知らせておく、食品やゴミのにおいがもれないようクーラーバッグ、防水バッグを用いるなど、できる対策は面倒がらずにやっておこう。 キャンプ帰りにSAで食事中、バイクをいたずらされてブレーキが効かなくなった人の話を聞いたことがある。運よく歩行者やほかのクルマに突っ込むことなく止まれたそうだが、こうしたいたずら・盗難は完全に防ぎようがない。見えるところに高価なキャンプ道具を装着しない、貴重品は持ち歩く、ナビ代わりのスマホを置きっぱなしにしない、できるだけ防犯カメラのある駐輪場を利用する、など基本的な自衛も忘れずに。
初めてのソロ、初めてのツーリングキャンプに不安はつきものだが、ケガを負う、火災など周囲を巻き込む騒動ではない小さな失敗は、今後のステップアップに通じる経験のひとつ。楽観すぎるのは困りものだが、必要以上に恐れる必要はないだろう。
最後に。コロナ禍の今、ほかの人と合うことが少ないツーリング、ソロキャンプは比較的安心できる旅と言われている。だが、それでも給油や買い物、チェックインなど地元の人と対面ですごす時間はゼロではないし、クルマ以上にケガのリスクは高い。緊急事態宣言・まん延防止措置対象エリアの人は解除を待ち、区域外の人も無理は禁物だと、申し添えておこう。