バイクでのツーリングキャンプで気をつけることとは?
バイクにキャンプ道具を積んで、好きな場所を巡り、気に入ったキャンプ場で泊まるツーリングキャンプ。クルマでのキャンプに比べて積載できるものは限定され、少しの風や雨でも走行時の危険度が増すし気分も滅入る。 しかし、給油する頻度は高く、それが面倒ではあるがローカルならではの名物商店を発見するチャンスはクルマよりも多い。それに近年のキャンプブームで厳しくはなっているものの、クルマではアプローチしづらい小さな野営場でひっそりキャンプができるのはツーリングキャンプの醍醐味だ。
持参する道具は「必要最低限」に抑える
積載量が限られるバイクだから、「もしかしたら使うかも」とあやふやに思う道具ではなく、「これがないと困る」ものを厳選することになる。
クルマでのキャンプはラゲッジいっぱいに詰め込んでいるが、バイクではリヤキャリアだけなら容量40〜60L、サイドバッグも使ってプラス10〜40Lで、大型ダッフルバッグ1個分しか詰めない。しかも、車体から大きくはみ出すと危険なので収納時の長さは50cm程度までのものを選ぶ必要があるだろう。
バイク専用のシートバック&サイドバックを有効活用せよ
筆者もまた、50Lのバックパックと20Lのジェリ缶を載せて、半年だけのキャンプ旅を楽しんだことがある。雨をしのいで簡単な食事ができればいいので、椅子もテーブルもタープもなし。
ストレッチコードをバッテンにかけて荷をくくるだけだが、しっかりテンションをかけておけばダートを走っても転んでも荷物が散らばることはない。
また、バイク専用のシートバッグが使えれば安全に素早く積載できる。40Lのシートバッグは小さく感じるが、デイパックと組み合わせればうまくキャンプ道具が収まる。
キャンプツーリングでも、サポートカーが同行するツアーがある。これなら身軽にバイクでのキャンプツーリングが楽しめる。純粋なソロキャンプツーリングではないが、初めてのソロキャンプ、初めてのツーリングキャンプ、初めてのオフロードが不安であれば、こうしたサービスを利用すると安心だ。
単独でのキャンプ場選びは利用者の「雰囲気」を考慮すべし
ファミリーキャンプ、グループキャンプ、ソロキャンプ、ソロ仲間とのキャンプでは、同じキャンプであっても活動時間帯が異なる。
ファミリーは早寝早起きだし、ソロだと静かにすごしていても夜ふかししがち。グループキャンプでは当人たちは気をつけていても話し声が絶えず聞こえるものだ。また、景色のいいキャンプ場ではファミリーやグループとの関係はなく、朝焼けや星空の撮影をしようとする人などで早朝や真夜中に足音が響くこともある。
結局のところ、似たキャンパーが集まるところのほうがストレスなくすごせるのだろう。 ただし、個人的には運良く嫌な目にあったことはないが、女性のソロだと“教えてあげる”とつきまとわれる・のぞき見されるなどの経験を持つ人がチラホラいるのも事実だ。
ソロなら友だちと都合を合わせる必要はないので、嫌だと思ったら我慢せず撤収するのも手だし、ファミリーが多いキャンプ場や管理人が常駐している施設のほうが安心だということも覚えておきたい。
「小さな失敗」は今後のステップアップに繋がる
細い山道の先にある野営地に向かう場合、クルマでは「対向車とすれ違える場所はあるか」「万一、先が通行止めになっていたら転回する場所はあるのか」などの不安があるが、バイクでは無理せずトコトコ走っていれば対向車を避けられるし、通行止めの場合もなんとか引き返せるのがアドバンテージだ。
バイクは低速時に転びやすいので、慎重さが徒となって転ぶと重いバイクの下から抜け出せないことがある。こうなるとケガはなくても通りすがりの人が来るまで何もできないのことも、ないとは言えないのだ。
また、管理人が朝・夕に見回りにくるだけのひと気の少ないキャンプ場はのんびりできるのがいいが、野生動物や不審者、土砂災害などの情報が入りづらい。最寄りのガソリンスタンドや商店で様子を聞くなど、用心するにこしたことはない。
もちろん家族や知人に行き先を知らせておく、食品やゴミのにおいがもれないようクーラーバッグ、防水バッグを用いるなど、できる対策は面倒がらずにやっておこう。
初めてのソロ、初めてのツーリングキャンプに不安はつきものだが、ケガを負う、火災など周囲を巻き込む騒動ではない小さな失敗は、今後のステップアップに通じる経験のひとつ。楽観すぎるのは困りものだが、必要以上に恐れる必要はないだろう。
最後に。コロナ禍の今、ほかの人と合うことが少ないツーリング、ソロキャンプは比較的安心できる旅と言われている。だが、それでも給油や買い物、チェックインなど地元の人と対面ですごす時間はゼロではないし、クルマ以上にケガのリスクは高い。緊急事態宣言・まん延防止措置対象エリアの人は解除を待ち、区域外の人も無理は禁物だと、申し添えておこう。