ドレスアップとカスタムは線引きが難しいカテゴリー
チューニングカーとカスタムカー。どちらもノーマルじゃないクルマとはわかるが、両者に明確な違いは存在するのだろうか。ドレスアップカーやレーシングカーも含め、改造車のさまざまなカテゴリーについて考えてみたい。
サーキットなどを走るために改造したクルマがチューニングカー、それ以外のおもに見た目を重視して手を加えたクルマがカスタムカー。多くの人はこのようなイメージを持っていると思われる。さらにレーシングカーやドレスアップカーといったジャンルも存在し、クルマに興味を持ち始めた人はカテゴライズに悩んで当然といえば当然。絶対的な正解や定義はないともいえるが、それぞれの区分けについて考えてみた。
そもそもチューニングカーとは
まずはエンジンのパワーやトルクを上げたり、コーナリング性能を高めた『チューニングカー』から。チューニングは調律や同調と翻訳され、クルマでは『調律』が使われることが多い。調律とは楽器から発せられる音の高さ、つまり音高を適正に調整することを指す。 クルマに置き換えると各々のパーツを最適な状態に調整することで、アフターパーツに交換することもそれをセッティングすることも、純正パーツを使って同じことをするのも全部『チューニング』だ。その意味ではレーシングカーも広義におけるチューニングカーといえるが、レーシングカーはあくまでも『レース』に出場するためのクルマ。定められたレギュレーションの範囲内でしか改造できない。
そのため一般的にはいわゆる公認レースの参加車両が『レーシングカー』で、そのほかの草レースや走行会の車両は『チューニングカー』と区別している。昔はチューニングカーといってもレーシングカーに近い仕様が多数を占めていた。だが合法チューンや快適装備を外さない仕様が増えるに従い、両者の区別というか棲み分けが明確になっていった。