手間も費用もかかるがインジェクションにはない魅力がある
見方を変えれば、インジェクション車は全域ソコソコのピックアップで乗りやすいのに対し、キャブはスイートスポットが狭いがゆえに、その狭いツボにはまったときの加速感が特別に感じられるという可能性もある。自分であれこれいじれて、エンジンルームの見た目もスッキリかつメカニカルな感じになるキャブには、なんともいえない魅力があるのだ。
実際、インジェクションが当たり前の時代になっても、初代のロードスター(NA)などは、わざわざキャブ仕様にするオーナーも多かったし、キットなども出まわっていた。いまはソレックスやウェーバーなども新品では入手できなくなってしまったが、ケイヒンのFCRやミクニのTMRなど、バイク用のレーシングキャブを流用するなどの方法はある。
費用も4気筒用で20万円以上したり、排出ガス検査を取りなおさないと車検が通らなかったりコストもかかるが、ハマる人にはハマるはず!? 電子制御スロットルの何ともいえない間接的なフィーリングに違和感がある人などは、キャブ車のダイレクト感の虜になるかもしれない……。