重ねて保温、調理にも活躍する重ね着スタイルの「レイヤード」とは?
重ねるのはモノだけではない。ウエアも重ねて対応する=レイヤード(レイヤリング)だ。
これからの季節は昼間は汗ばむ陽気であっても、日没後は一気に気温が下がり風が吹くと凍えるような寒さになることも。もし、汗や雨でインナーが濡れている場合、効果てきめんなレイヤード術を紹介したい。
昼はロンT、夜は厚手のフリースジャケット、もしかしたらとても寒くなるかもしれないから厚手のダウンジャケットと風を通さないシェル、そして複数のインナーやアウターを用意していちいち着替えるのは大変。
それよりも速乾性のあるインナー&シャツをベースに、寒くなったら薄手のフリースを追加して、風が吹けばシェルを羽織る。それでも寒ければ中綿入りベストを着込む……という具合に、羽織ったり脱いだりして調節するほうが簡単だし細かく調整しやすく、無駄も少ない。
薄手のウエアは寒そうに思えるが、ウエアを重ねることで細かな空気の層が生まれてこれが優秀な断熱材となる。
撥水メッシュ素材を選んで雨や発汗による濡れ対策がポイント
ただし、気をつけたいのが濡れ。肌や衣類が濡れているといくら重ね着をしても、優秀なジャケットを着ていても寒く感じる。インナーは速乾性の高い素材や撥水メッシュなどを用いて、その上に羽織るものもなるべくスピーディに水分を排出する素材を選びたい。
冬であれば、ジャケット&パンツだけでなく、グローブやソックスも汗が残らないインナーと重ねることで末端の冷えを予防できる。
これは寝袋も同様だ。晩秋の高原など3シーズン用でいいのか判断に迷うときは、3シーズン用を基準に、思ったよりも冷えたなら夏用の薄い寝袋や起毛素材のブランケットを内側に入れたり、シュラフカバーをかけたりして対応する。冷え込みに対応できるし、冬用寝袋にもぐりこんで暑くて寝袋をはぐこともない。
アウトドアやキャンプでの「重ねワザ」は幸せの第一歩に!
調理シーンでもレイヤードが活躍する。写真はダッチオーブン用収納ケースが保温ケースと兼ねた製品で、火からおろしたダッチオーブンを入れておけば調理が進むというもの。低温でじっくり火が通るのでうまみが逃げずおいしくなるし、燃料の節約に役立つ。
ほかにも、ダッチオーブンの内側に小型の鍋をいれてベイク・蒸す・湯煎するのも定番だ。わざわざ蒸し器やタルト型などを用意する必要はない。
もちろん保温だけではない。ボトルや缶にコジーを被せれば冷たい飲み物の飲み頃を長くキープできる。
道具は「重ねる」ことでたっぷり持ち運べて、スペースにも心にも余裕が生まれる。ウエアは「重ねる」ことで、コンパクトでありつつ機能を発揮する。
キャンプシーンにおいて「重ねる」は、休日を楽しく健康に過ごすためのキーワードになる。キャンプ自粛の日は、手持ちの道具とウエアを組み合わせて研究してみてはいかがだろうか!