女性レーシングドライバー「猪爪杏奈」がモータースポーツを志したきっかけ
皆さんこんにちは。レーシングドライバーの猪爪杏奈です。私は2021年現在、スプリントレースと耐久レース合わせて4シリーズに参戦しています。VITA-01(WEST RACING CARS社製)というマシンを使用し日本全国で開催されているワンメイクレースは、現在トレンドのカテゴリとして人気。
私は、鈴鹿サーキットで年間6戦開催される「鈴鹿クラブマンレース」、富士スピードウェイで年間4戦開催される「FCR-VITA」、関谷正徳氏がプロデュースした女性だけのレースシリーズである競走女子選手権「KYOJO CUP SUPPORTED BY MUSEE PLATINUM」に、ヘルメットドライヤーDr.DRYのレーシングチームから『Dr.DRY VITA』で参戦中です。
また、市販量販車ベースのレーシングカーで争われる国内最高峰の「スーパー耐久シリーズPowered by Hankook」では、排気量1500cc以下の車両で争われるST-5クラスに、父が立ち上げ監督を務めるiCraftと、千葉県・成田市の日本自動車大学校モータースポーツ科とのコラボレーシングチームから「TRES☆TiR☆NATSロードスター」で参戦中です。
去年は女性ABドライバーが表彰台に登壇するという、24年ぶりの快挙を果たしました。
最初は「何が楽しいんだろう?」と思っていたモータースポーツ
これまで箱車からフォーミュラカーまでさまざなレースに参戦させていただきましたが、じつは私、19歳で免許を取得後に20歳からレースを始めたんです。SUPER GT、FIA世界耐久選手権(WEC)を目指しているのに、やや遅いスタートかもしれません。
3歳から18年間ピアノを本格的に習い、10歳から始めたバレーボールに青春を捧げていました。 体育教師を目指して体育大学に通っていた大学2年生の秋、元全日本ジムカーナチャンピオンだった父の誘いで免許取得後に初めてサーキットを走りました。ですが最初は自分の運転なのに酔ってしまったのです。
それまでも父のお手伝いでサーキットには何度か足を運んでいて、外から見ていた印象も「何が楽しいんだろう」でした。そして運転した印象が「ヘルメットが息苦しいし気持ち悪くて楽しくなかったなぁ」だったので、このときすぐに火はつきませんでした。