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これぞ「金メダル」級の日本車! 羨望の「公道最強」ワークスコンプリートカー4選

4台の最強ワークス系コンプリートカー

技術の結晶を惜しみなく投入した「最強ワークスコンプリートカー」たち

 トヨタのGR、日産のニスモといったSUPER GTなどのモータースポーツにも関わる自動車メーカー直系のスポーツ部門は、時折「保証も備えながらもチューニングカーのお手本となるような、自動車メーカーの総力を結集した」と感じる、最強クラスのコンプリートカーをリリースしてきた。そんな数々のワークスコンプリートカーから、誰もが認める最強モデルたちを紹介しよう。

元町工場で生産されたスペシャルな100台限定モデル

【トヨタ86GRMN(ZN6)】

 初代86の前期型終盤に、100台限定で設定されたスペシャルモデルの86GRMN。「ニュルブルクリンク24時間レースを走った86のロードカー版」というコンセプトで開発され、ハンドビルド(手組み)などにより自然吸気ながら219psに出力アップしたFA20エンジンが搭載された。 またギヤ比の見直しやLSDを強化した駆動系、専用の車高調サスペンションやボディ補強が施され、さらにエアロパーツの装着やカーボンパネル採用による軽量化が成された。車両の生産は標準車とは異なりスバルの工場ではなく、レクサスLFAなどの生産も担ったトヨタの元町工場で行われた。 走らせた印象は、絶対的な速さ以上に操作に対する正確性や安心感といった質の高さが素晴らしかった。648万円という価格は86としては高いと感じるが、内容を考えれば「安い!」と断言できるレベルに仕上がっていた。

究極のBNR34といって間違いなし! 限定台数はわずか20台

【ニスモ R34GT-R Z-tune(BNR34)】

 S14シルビアの270RやR33スカイラインGT-Rの400Rといった過激なコンプリートカーをリリースしてきたニスモ。そのなかでも最強と断言できるのが、R34スカイラインGT-Rの生産終了後となる2005年に登場したNISMO R34GT-R Z-tune(以下、Z-tune)である。

 20台限定でリリースされたZ-tuneは、良質な中古のR34スカイラインGT-R Vスペックをベースに、2.6Lから2.8Lへと排気量を拡大。エンジン本体のチューニングを筆頭にタービンの変更に止まらず、冷却系などの耐久性、信頼性も向上させ、最高出力500psオーバーのエンジンが搭載された。

 それだけでなくザックス製の車高調サスペンションやドア開口部のスポット増しをはじめとしたボディ補強、ブレーキはローター径の拡大やフロント6ポット、リヤ4ポットキャリパーの採用で制動力を強化するなど、要所に妥協なく手が入れられた。 さらにシート表皮やドアトリムも専用品とされ、特別な1台を持つ歓びにも十分配慮されていた。

 つまりZ-tuneは「理想の第2世代スカイラインGT-R」と言える存在で、ベース車込みという内容を考えれば1774万5000円という当時の車両本体価格はリーズナブルと断言できる。このクルマを自分のものにできた人は幸せである。

ベース車両+約200万円アップもリーズナブルといえる高性能ぶりを発揮

【ホンダ・シビックMUGEN RR(FD2)】

 シビックMUGEN RRは4ドアセダンだったFD2型シビックタイプRをベースとした、無限初のコンプリートカーだ。そのチューニング内容は、カムシャフトや吸排気系の変更によりベースエンジンのK20Aを15psパワーアップ。 シャーシは専用サスペンションや専用タイヤ&ホイールの装着で強化。また、ブレーキローター&パッドが変更され、制動力が高められた。エクステリアにはエアロパーツや専用レカロシートを装着。トータルチューニングが施されていた。

 このファインチューニングによりシビックMUGEN RRはベース車でも十二分だった速さに加え、各部の質の高さも備えている。300台限定で477万7500円という価格ながら、あっという間に完売となったのもよくわかるでき映えだった。

北米の熱狂的なファンに応えた日本未発売の最強Sモデル

【スバルSTI S209(VAF)】

 STIのコンプリートカーにおいてエンジンにも手が加えられるなど、Sシリーズ最新のS209は北米仕様のWRX STI(VAF型)をベースにしたコンプリートカーだ。

 このS209はアメリカ専売モデルとして発売され、もちろん日本には未導入。その内容はピストンやコンロッドなどに強化品が使われ、また大容量インジェクターや燃料ポンプは専用のチューニングパーツが採用された。搭載エンジンは日本でおなじみの2L水平対向のEJ20ターボではなく、STIのコンプリートカーとして最高出力となる341psを誇る2.5Lターボが搭載された。

 また、265/35R19サイズ(S208の標準車は255/35R19)のタイヤを前後に装着したことでオーバーフェンダーを追加するなど、それまでのSシリーズから一歩踏み込んだものとなった。

 ちなみに2.5L化されたEJ25型ターボは、レッドゾーンまで一気に回る2LのEJ20ターボとは異なり高回転での気持ちよさに欠ける。だが、その反面、パワーバンドの広さによる扱いやすさがあり日本で販売されなかったことがとても悔やまれる1台だ。

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