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ドレスアップの定番「ツライチ」に必須のカスタム! 意外とコツがいるフェンダーの「ツメ折り」とは

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: Auto Messe Web編集部

安全で仕上がりが美しいのはツメ折り機を使うこと

 ではツメ折りはどのように行うのだろう。もっとも安全で仕上がりが美しいのは、専用の「ツメ折り機」を使う方法。

 タイヤを外した状態で機械をハブにシッカリ固定し、上部のローラーでツメを手前へ押し出すように曲げるだけ。以前はフェンダーにタオルを当ててプラスチックハンマーで少しずつ叩いたり、鉄パイプをタイヤとの間に挟んでクルマを前後させ折り曲げる人もいたが、ハッキリいって素人がキレイに作業するのは至難の業と言わざるを得ない。ローラーでツメ折り加工をする作業

 フェンダーが波打ってしまったり塗装が割れたり、自分でやろうとして痛い目に遭った人もいると思う。もっともツメ折り機を使うにせよ注意すべき点はある。いくらフェンダーの孤に沿ってローラーが動くといっても、強い力がかかって塗装の表面が割れやすいのは一緒。そこで「ヒートガン」という工具で塗膜を温め、柔らかくしてから折り曲げるのがセオリーなのだ。

素人がキレイに作業するのは至難の業

 もしツメ折り機を買って自分で作業するなら、ヒートガンも必ずセットで準備してほしい。ただし失敗して修理となればフロントこそ中古のフェンダーが安く見つかるかもしれないが、リヤはプロに鈑金塗装を依頼するしかなく費用も跳ね上がる。ツメ折りの加工は1カ所につき1万円〜が相場なので、リスクを避けて専門店に依頼するのが無難だろう。鉄板を温めるためのヒートガン

 ツメ折りのメリットと方法はわかった。次は性能面でデメリットがあるのか考えてみよう。たまに「強度が落ちる」なんて話を聞くこともあるが、ボディ剛性に影響を及ぼすレベルではないといっていい。塗装が割れた部分に錆びが発生し腐食が広がるような場合は別だが、プロの技術で防錆処理まで施してあればとくに心配することはない。ツメ折りしたフェンダー

特例を除き査定が下がることはない

 では下取りや買取の査定が下がる、とのウワサは真実なのだろうか。とあるディーラーの営業スタッフに聞いたところ、極端な改造車と判断されればマイナスになる可能性はあるものの、ツメ折りしたクルマが持ち込まれるケースはかなり珍しいとのこと。

 いっぽうドレスアップカーを多く扱う中古車販売店では、ツメ折りがしてあってもマイナスになることはない、ただし明らかに素人の作業とわかるクオリティだったり、錆びがあれば当然ながら査定額は下がるそうだ。ツメ折りしたフェンダーのマツダ・ロードスター 車検もよほど折り曲げの処理が雑だったり、錆びが酷くなければ落ちることはないはず。ローダウンやホイールのツライチには必要不可欠のツメ折り、ボディの加工という「大手術」であることは間違いないので、くれぐれも安易なDIYで愛車にダメージを与えないよう注意!

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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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