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ドレスアップの定番「ツライチ」に必須のカスタム! 意外とコツがいるフェンダーの「ツメ折り」とは

「ツメ折り」とはタイヤのサイドウォールを傷付けないために加工すること

 チューニングやドレスアップといったカテゴリーを問わず、大きくローダウンしたらフェンダーの『ツメ折り』も。この言葉を耳にしたことがある人も多いと思うが、どんな内容で何を目的としたカスタムなのか。メリットだけじゃなくデメリットも含めて解説したい。

 自分のクルマが近くにある人は前後どちらかのフェンダー、内側に折り込んである部分を触ってみてほしい。ほとんどはフェンダーの外面に対し直角であり、タイヤとの間に十分な隙間が確保されているはず。その内側に折り込まれている部分を「ツメ」と呼び、さらに上方向へ折り曲げるのが『ツメ折り』なのだ。

極端に車高を下げたりインチアップするとツメがタイヤに干渉する

 車高がノーマルか若干のローダウンだったり、タイヤ&ホイールが純正+αのサイズであれば、そのツメは何のジャマにもならず折る必要はない。しかしドレスアップであろうと走り目的であろうと、極端に車高を下げたりインチアップすることで、ツメがタイヤに干渉してサイドウォールを傷付け、最悪は事故に繋がってしまう可能性がある。 それを防ぐために昔から定番とされる手法がツメ折りで、とくにホイールをフェンダーの外側ギリギリに収める、いわゆる「ツライチ」セッティングには欠かせないのだ。

安全で仕上がりが美しいのはツメ折り機を使うこと

 ではツメ折りはどのように行うのだろう。もっとも安全で仕上がりが美しいのは、専用の「ツメ折り機」を使う方法。

 タイヤを外した状態で機械をハブにシッカリ固定し、上部のローラーでツメを手前へ押し出すように曲げるだけ。以前はフェンダーにタオルを当ててプラスチックハンマーで少しずつ叩いたり、鉄パイプをタイヤとの間に挟んでクルマを前後させ折り曲げる人もいたが、ハッキリいって素人がキレイに作業するのは至難の業と言わざるを得ない。

 フェンダーが波打ってしまったり塗装が割れたり、自分でやろうとして痛い目に遭った人もいると思う。もっともツメ折り機を使うにせよ注意すべき点はある。いくらフェンダーの孤に沿ってローラーが動くといっても、強い力がかかって塗装の表面が割れやすいのは一緒。そこで「ヒートガン」という工具で塗膜を温め、柔らかくしてから折り曲げるのがセオリーなのだ。

素人がキレイに作業するのは至難の業

 もしツメ折り機を買って自分で作業するなら、ヒートガンも必ずセットで準備してほしい。ただし失敗して修理となればフロントこそ中古のフェンダーが安く見つかるかもしれないが、リヤはプロに鈑金塗装を依頼するしかなく費用も跳ね上がる。ツメ折りの加工は1カ所につき1万円〜が相場なので、リスクを避けて専門店に依頼するのが無難だろう。

 ツメ折りのメリットと方法はわかった。次は性能面でデメリットがあるのか考えてみよう。たまに「強度が落ちる」なんて話を聞くこともあるが、ボディ剛性に影響を及ぼすレベルではないといっていい。塗装が割れた部分に錆びが発生し腐食が広がるような場合は別だが、プロの技術で防錆処理まで施してあればとくに心配することはない。

特例を除き査定が下がることはない

 では下取りや買取の査定が下がる、とのウワサは真実なのだろうか。とあるディーラーの営業スタッフに聞いたところ、極端な改造車と判断されればマイナスになる可能性はあるものの、ツメ折りしたクルマが持ち込まれるケースはかなり珍しいとのこと。

 いっぽうドレスアップカーを多く扱う中古車販売店では、ツメ折りがしてあってもマイナスになることはない、ただし明らかに素人の作業とわかるクオリティだったり、錆びがあれば当然ながら査定額は下がるそうだ。 車検もよほど折り曲げの処理が雑だったり、錆びが酷くなければ落ちることはないはず。ローダウンやホイールのツライチには必要不可欠のツメ折り、ボディの加工という「大手術」であることは間違いないので、くれぐれも安易なDIYで愛車にダメージを与えないよう注意!

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