アメリカでのSUVシフトの影響
第2の理由は、2010年代に入ってから一気に加速した、アメリカ市場でのコンパクトSUV市場の拡大だ。
そもそも、アメリカでのSUVブームは1990年代にJeepチェロキーやシボレー・タホ/サバーバンに始まり、2000年代に入ってからはメルセデス・ベンツ、BMW、アウディなどドイツ系が導入。さらには、レクサス、インフィニティ、そしてアキュラなどの日系プレミアム系も、こぞってミッドサイズSUVやフルサイズSUVを導入した。
ついで、トヨタ、日産、ホンダはミッドサイズSUVやピックアップトラックのモデル強化を進めてきた。そうしたSUVシフトの波が2010年に入ると、コンパクトSUVにもおよぶようになった。
反動として、アメリカ市場の乗用車でもっとも販売数が多い、C/Dセグメントと呼ばれるカテゴリーの販売台数が減少に転じる。C/Dセグメントの代表格が、トヨタのカローラ/カムリとホンダのシビック/アコードであり、コンパクトSUVのRAV4とCR-Vが躍進した。
そんなトレンドのなかで、トヨタもホンダもC/Dセグメントを、それまでの“安全パイの大衆車”イメージから“スポーティで若々しく走りが楽しいクルマ”へと大きな方向転換を試みた。
シビックについては、スタイリングはもちろんVTECターボ&6速MTというチョイスができるようにした。日本でのシビックは、月販目標台数が1000台。旧来の大衆車シビックのイメージではなく、6速MTでの走りが楽しいクルマとしてさらに磨きをかける。