ECOモードでもオーラのSPORTモード相当
動力性能が刺激的だった。搭載するエンジンは1.2L直列3気筒であり、100kW/300N・mのモーターパワーもオリジナルのオーラe-POWERと違いがない。だというのに、アクセル開度と出力特性のバランスをリチューンさせたことで、わずかなアクセルの踏み込みでグイグイと加速するのである。1mmのアクセルオンで5mm分の加速をするといったイメージである。
ドライブモードは3段階。デフォルトの「ECO」から「NORMAL」、そして「NISMO」と加速フィールが段階的に高まっていくのだが(ちなみにオーラの「SPORT」が「NISMO」へと呼び名を変えている)、もっともおとなしいはずの「ECO」モードですら、オーラでいう「SPORT」のセッティングだというから驚くばかりだ。ノートオーラのユーザーは、通勤通学、あるいは買い物の往復でも常に攻撃的なテンションで居続けることを意味する。
兎にも角にも加速が鋭い。アクセルペダルを床踏みしてしまえば、オーラとの違いはないのだが、ハーフスロットル領域の反応は剃刀のように鋭い。微細のアクセル操作でマシンの挙動がグラグラと変化するのだ。
軽快な動きを優先するため2WDの一択に
ちなみに駆動方式は2WDである。オーラには4輪駆動方式もラインアップされており、あるいはノートオーラNISMOは伝家の宝刀アテーサE-TS風の4輪制御で登場するのではないかと期待していたのだが、蓋を開けてみればFFである。オーラの4WDは、後輪がバリアブルに駆動をサポートするために、アンダーステアも軽微でありメリットが多い。だが決定的なのはその重量。最大で130kgもの違いがある。
その辺りを匠の神山開発ドライバーに問うと、予想どおりの答えが返ってきた。「軽快なフットワークも狙いです」。
オーラの2WD仕様でも意識できたように、130kgの差は無視できない。ノートオーラNISMOのフットワークの軽さと、パワー特性の鋭さは、軽量ボディだから得られた味なのだろう。 ともあれ、異色のパワースボーツ「ノートオーラNISMO」は、エコ一辺倒の電動車の中にあって異彩を放っている。
[NOTE AURA NISMOスペック]
全長×全幅×全高(mm):4125×1735×1505
ホイールベース(mm):2580
トレッド前/後(mm):1510/1510
タイヤサイズ:205/50R17
車両重量(kg):1270
重量前後配分:63.9%
エンジン:HR12DE(66kW/108Nm)
モーター:EM47(100kW/300Nm)
車両本体価格(税込):286万9900円