ホンダ・ストリームRST
コンパクトミニバンの2列シートに、走りのスポーティさを求めるなら、これまたホンダのストリームRSTがある(かなりレアなモデル)。
RSTは2009年6月のストリームのマイナーチェンジを機に登場した2列シートモデルで、開発はアメリカホンダにいたチーフエンジニアが担当した。スポーティなエクステリアと優れた加速性能、劇的に改善された乗り心地に加え、3列目席を取っ払ったことによる広大なラゲッジスペースを実現。 立体駐車場に入る1545mmの全高も特徴で、ホンダのミニバンらしいスポーティな走りの良さと、アウトドアを含む荷物の収納のしやすさに大きな魅力があった。
トヨタ・シエンタFUNBASE
ここまでホンダ車ばかりだったが、トヨタのコンパクトミニバンにも2列シートモデルがある。それが、2018年9月にシエンタへ新たに加わった2列シートモデルのFUNBASEである。 これまでフリードに2列シートがあったにもかかわらず、シエンタに2列シートがなかったのはなぜだろう? それはトヨタにはカローラフィールダーといったワゴンモデルもあり、どうしても2列シート+大容量の荷室が欲しければ、そちらへ……ということだったと想像できる。 とはいえ、意外にも大人でも不満なく座れるシエンタの3列目席を実際にフル活用しているユーザーは少なく、なおかつ空前のアウトドアブームの影響もあって、満を持しての2列シートモデルのFUNBASEの追加だったというわけだ。おかげでその後、シエンタの販売台数が激増したのである(一時、全乗用車のNO.1に)。 ラゲッジルームの開口部地上高は530mm。フロア奥行はコンパクトワゴン並みの935mmを確保し、フロア幅は1060mmと十分なスペースがある。しかも天井高はアウトドアでこそ威力を発揮する2段デッキボードのハイデッキで930mm、ローデッキでは1100mmとなり、かなりの大容量ラゲッジスペースとなる。 現行フリード+同様に、アウトドア、車中泊対応の純正アクセサリーが用意されているのも、アウトドア派にはたまらないポイントとなるはずだ。さらにFUNBASEのHVモデルならAC100V/1500Wコンセントも用意され、車内外で1500Wまでの家電品(ホットプレートやコーヒーメーカーなど)を使えるのだから便利この上なし。つまり、アウトドアに適した最強の2列シートコンパクトミニバンと言っていい。