初代ロードスターを思わせる走る楽しさに感涙
ロードスターも価格がもっとも安い「S」で似たような特徴があります。6速MT仕様でもリヤスタビライザーなどは装着されず、旋回速度を高めていくと、徐々に後輪のグリップが下がり始める。これも粘りながらヌメーッとした手応えがあり、1989年に登場した初代ロードスターの運転感覚にとても良く似ています。 最初に運転した報道試乗会では、「S」は主力グレードではないために最後に試乗しました。夕暮の街を走りながら、本当に泣きそうになりました。あの時代のことをやたらと想い出したのです。普段忘れていたことまで……。このまま走り続けたら、20代の頃に戻れるのではないか。そんなアホなことまで考えました。 スポーツカーでは、一番安いグレードにこそ魂が宿るのかも知れません。先日、還暦を迎えたオヤジ(筆者)は、そんなことを考えています。同年配のみなさんも、機会があったら、スポーツカーの一番安いグレードを運転してみてください。きっと楽しい時間を過ごせると思います。