サイトアイコン AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

「車両火災」は他人事じゃない! クルマ好きこそ常備しておきたい「車載消火器」の重要性

消化器設置

万が一の際に備えて常備しておきたいアイテム

 ニュースで時おり目にする車両火災。自分とは無縁の事故と思っている人も多いが、実際に愛車が炎をあげてからじゃあとの祭りだ。とくにサーキット走行を楽しみユーザーは、ほかのドライバーに迷惑をかけないためにも、車載用の消火器を常備することをオススメする。

周囲の車両や施設にまで延焼させないために

 エンジンがブローしてオイルが漏れ、最初に芝生が焼けて車両まで延焼。クラッシュで燃料タンクが破損して炎上、バッテリーがショートしての発火。サーキットで起きる車両火災の原因はさまざまだ。自分がそんな事態に見舞われたらどうしよう。大半の人はクルマを降りて安全な場所に退避し、大切な愛車が燃え上がる様子をただ眺めるだけ。

 大半のサーキットはピットやコース内に消火器を備えているが、残念ながら車両火災は発生する場所を選んでくれるワケがないし、オフィシャルが即座に到着し消化活動を始めるとも限らない。そんなとき被害を最小限に食い止めてくれる強い味方が、レーシングカーでお馴染みの車載用『消火器』なのだ。

 出火してまだ間もなく燃え広がる前段階の対処、いわゆる初期消火は車両火災に限らず非常に大切。一部だけが焼けた状態なら修復できる可能性は高いし、ドライバーが火傷したり施設に被害を与える心配も減る。また、消火器が助けてくれるのは自分だけじゃない。ほかの誰かのクルマが火災に見舞われたとき、彼らの身体や生命を守ることにも役立つ。

正しく設置しなければ逆に危険となる場合も

 では車載用の消火器とはいったいどんなモノなんだろうか。内部に圧縮した消火剤を詰め込む構造は家庭用と変わらないが、車内は温度変化がかなり激しくクラッシュによる衝突もあるため、消防法によってかなり細かくルールが定められている。自分でステーなどを作って家庭用の消化器を固定する、なんて方法じゃ逆に危険を招くこともあるので注意しよう。

 日本のモータースポーツを統括するJAFでは、カテゴリーにより多少の違いこそあるものの、公認競技車両の大半が消化器の搭載を必須としており、そうじゃなくとも『推奨』という扱いだ。ちなみに国際格式のレースとラリーにおいては、運転席に座ったままスイッチ操作で車内に消火剤を噴射する、自動消火システムの装着が義務化されている。

 プライベーターが使う車載用の消火器で代表的なメーカーは、イギリスの『ライフライン』や『FEV』が著名な存在だ。また近年ではデザイン性が高くドレスアップにも有効な、コンパクトなサイズの消火器も人気を博している。いずれもプロショップや通信販売で購入することが可能。ただし上で書いたとおり取り付けの方法や場所によっては、役に立たないどころか逆効果な場合もあるため注意してほしい。

 最後に使用期限に関して説明したい。モデルや製品により違いはあるけど、6~7年というのが一般的のようだ。それを過ぎたら中身の詰め替えが必要になるのでメーカーや販売店に依頼、ボトル本体の状態もチェックし問題がなければ期限が延長される。クルマが火に包まれたような状況では焼け石に水かもしれないが、小型のタイプでも初期消火においての有用性は十分だ。自分には関係ない対岸の火事と思わずに、愛車へ常備しておくべきアイテムだろう。

モバイルバージョンを終了