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「モモステ」「モモノブ」「モモシューズ」! MOMOにあった懐かしの「カー用品」

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TEXT: 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)  PHOTO: 島崎 七生人

シフトノブやホイールはクルマ好きの定番アイテムだった

 モモ(momo)のロゴを見ただけで「おっ!?」と反応するクルマ好きは多いはず。もっと言えば、以前にも触れたことがあったが、今で言う“旧車”がまだ現役だったころ、自分のクルマを買い替えたら、まるで呪文か常套句のように「まずはモモのステアリング」と、お気に入りを探して純正のステアリングホイールと交換……そんなマニアが多かった。

 ところでそんなモモだが、代名詞のステアリングホイール以外にも、じつはさまざまなアイテムをリリースしている。イタリア語でPomelli、つまりシフトノブはそのひとつだ。記憶が正しければ最初に登場したのは上から掌で包み込むのにちょうどいいデザインの“アナトミック”、シンプルな球形の“レース”、往年のガングリップ型に通じるデザインの“コンバット”あたり。木目調のMOMOのシフトノブ 以降、デザイン、素材サイズなど、おびただしい種類が展開され、どれを選ぼうか迷うほどのバリエーションを誇った。写真は現在の筆者の愛車のものだが、レザーの球形→コブラ(メタル素材は当然ながら夏熱く、冬冷たい)と変遷を経て、現在は表面の艶の感触がよく、ノブ自体の質量が適度に軽くシフト操作がスムースに行えるウッドで落ち着いている次第。

 フィニッシャーと呼ぶノブ付け根のメッキのパーツにも形状が何種類かあり、筆者の場合はシフトブーツをこのパーツにタイラップで締めつけて繋げられる形状のモノにし、その状態で使っている。フィアット500に装着しているMOMOのシフトノブ また以前にはノブの頭部にボタンがあり、ATのセレクターレバーにも対応するタイプの用意があり、これも使っていた。ステアリングホイール同様、デザイン、操作性が変えられるシフトノブの交換はいわば“お約束”で、そんなニーズに応えてくれるのがモモのシフトノブという訳だ。

足もとが映えるホイールも販売していた

 もうひとつの分野がアロイホイール。確か最近も雑誌で広告を見かけたから、新しいモデルがリリースされているはずだ。ここで取り上げているカタログはごく初期のもので、そのなかでも“MOMO FERRARI ENGINEERING”は、見た瞬間に何てキレイなデザインなのだろう! と思わせられたモデルのひとつ。

 フェラーリといえば512BB、308GTBの頃の星形デザインがイメージだが、その流れをくんだ上、センターとラウンドリム上にMOMOのロゴを配したじつにスマートなモデルだった。

“MOMO FERRARI ENGINEERINGのカタログ もうひとつ“I.DE.A”も、イタリアン・デザインらしい溌剌とした雰囲気で、スポーク部(とセンターキャップ)のカラーバリエーションの用意があったところなど、粋なセンスが感じられた。ナルディの記事のときにも書いたが、まさにモモ・フリークであればそのことをしっかりとアピールできる、見逃せないアイテムだったといえる。MOMOのI.DE.Aのカタログ写真

レーシングギアはもちろんマリーン関係もラインアップされていた

 そのほか“MOMO CORSE”のカタログには、競技用のシート、ステアリングをはじめレーシングスーツ、グローブ、シューズ、ヘルメットや、車両側のサスペンション、ストラットバーや、KART、マリーン関連のアイテムも載っている。1964年にフェラーリがF1チャンピオンになった際のステアリングを作ったのが、モモの創設者のひとり、ジャンピエロ・モレッティだったが、その意志は連綿と受け継がれ、多方面で愛され、支持されている。レーシングギアを特集しているMOMOのカタログ

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  • 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)
  • 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)
  • 1958年生まれ。大学卒業後、編集制作会社を経てフリーランスに。クルマをメインに、写真、(カー)オーディオなど、趣味と仕事の境目のないスタンスをとりながら今日に。デザイン領域も関心の対象。それと3代目になる柴犬の飼育もライフワーク。AMWでは、幼少の頃から集めて、捨てられずにとっておいたカタログ(=古い家のときに蔵の床が抜けた)をご紹介する「カタログは語る」などを担当。日本ジャーナリスト協会会員、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
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