シフトノブやホイールはクルマ好きの定番アイテムだった
モモ(momo)のロゴを見ただけで「おっ!?」と反応するクルマ好きは多いはず。もっと言えば、以前にも触れたことがあったが、今で言う“旧車”がまだ現役だったころ、自分のクルマを買い替えたら、まるで呪文か常套句のように「まずはモモのステアリング」と、お気に入りを探して純正のステアリングホイールと交換……そんなマニアが多かった。
ところでそんなモモだが、代名詞のステアリングホイール以外にも、じつはさまざまなアイテムをリリースしている。イタリア語でPomelli、つまりシフトノブはそのひとつだ。記憶が正しければ最初に登場したのは上から掌で包み込むのにちょうどいいデザインの“アナトミック”、シンプルな球形の“レース”、往年のガングリップ型に通じるデザインの“コンバット”あたり。
フィニッシャーと呼ぶノブ付け根のメッキのパーツにも形状が何種類かあり、筆者の場合はシフトブーツをこのパーツにタイラップで締めつけて繋げられる形状のモノにし、その状態で使っている。
足もとが映えるホイールも販売していた
もうひとつの分野がアロイホイール。確か最近も雑誌で広告を見かけたから、新しいモデルがリリースされているはずだ。ここで取り上げているカタログはごく初期のもので、そのなかでも“MOMO FERRARI ENGINEERING”は、見た瞬間に何てキレイなデザインなのだろう! と思わせられたモデルのひとつ。
フェラーリといえば512BB、308GTBの頃の星形デザインがイメージだが、その流れをくんだ上、センターとラウンドリム上にMOMOのロゴを配したじつにスマートなモデルだった。
レーシングギアはもちろんマリーン関係もラインアップされていた
そのほか“MOMO CORSE”のカタログには、競技用のシート、ステアリングをはじめレーシングスーツ、グローブ、シューズ、ヘルメットや、車両側のサスペンション、ストラットバーや、KART、マリーン関連のアイテムも載っている。1964年にフェラーリがF1チャンピオンになった際のステアリングを作ったのが、モモの創設者のひとり、ジャンピエロ・モレッティだったが、その意志は連綿と受け継がれ、多方面で愛され、支持されている。